2019年の徴税額、前年比6.3%増も目標未達、関税局は2020年にさらなる税収増目指す

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月28日

フィリピン関税局(BOC)は1月10日、2019年の徴税総額が6,306億ペソ(約1兆3,873億円、1ペソ=約2.2円)となり、5,930億ペソだった2018年から6.3%増となったものの、目標額の6,610億ペソに達しなかったと発表した。BOCはまた、2020年の目標額を7,310億ペソと設定した(1月14日付ビジネスミラーほか地元各紙)。

BOCは2019年の徴税総額が目標未達に終わった理由について、2019年に入って為替相場が1ドル52ペソと比較的ペソ高に推移した点と、2019年通年の輸入額が前年比で減少した点を挙げた。フィリピン統計庁(PSA)は1月10日、2019年1~11月の輸入額が991億5,476万ドルで、前年同期比4.6%減となったと発表している。さらに、2019年内に開始予定だった石油製品マーキング制度(注)が2月に先送りされたことも要因の1つとした。

BOCは密輸品の没収にも力を入れており、2019年通年で合計205億ペソ相当を没収したとし、そのうち模倣品が94億ペソ、違法ドラッグの一種のメタンフェタミンが35億ペソ、たばこ製品が26億ペソだったという。

(注)合法的に輸入されるガソリンや灯油、軽油などの石油製品に特殊な染料を混ぜることで、不法に輸入・密輸された製品を特定する制度。

(坂田和仁)

(フィリピン)

ビジネス短信 cf2978a33a3513b8