シンガポールとチリ、ニュージーランド、デジタル取引基準設定に向けた交渉ほぼ完結

(シンガポール、チリ、ニュージーランド)

シンガポール発

2020年01月28日

シンガポール、チリ、ニュージーランド3カ国の政府は1月21日、シンガポールで開催の会合で、「デジタル・エコノミー・パートナーシップ協定(DEPA)」の交渉がほぼ終了したと発表した。DEPAは、デジタル取引の基準設定などを目指すシンガポールが提起したもので、2019年5月から交渉を開始していた(2019年5月30日記事参照)。

3カ国の共同声明によると、DEPAには、国境を越えたモノやビジネスでの取引における電子書類の利用や個人情報保護、サイバーセキュリティー、オンライン上の消費者保護、デジタル身分証明、フィンテック、人工知能(AI)、データのやり取り、中小企業のためのイノベーション、貿易、投資機会、デジタル格差の解消と、デジタルエコノミーにおける主要課題への3カ国の協力の枠組みが盛り込まれている。チャン・チュンシン貿易産業相は同声明で、「DEPAはシンガポールが、同様の考えを持つチリとニュージーランドとともに取り組むデジタル時代における新しい形の経済協定だ」と述べた。

同協定によると、3カ国は個人情報保護について、互いの関連法規制の互換性を高めるためのメカニズムを開発する。また、それぞれの国の電子請求書システムについても、3カ国が同じ国際基準の採用を促進するとしている。越境データ取引では、3カ国でビジネスを展開している企業が、一定の規制を満たした上で、シームレスに国境を越えて情報のやり取りをできるようにする。さらに、3カ国はデータを活用したイノベーションを促進するため、一定の守られた環境で政府と協力して開発に取り組めるデータ・レギュラトリー・サンドボックスの設置で協力するとしている。このほか、今回3カ国が合意した協定に盛り込まれた枠組みについては、共同報道発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(本田智津絵)

(シンガポール、チリ、ニュージーランド)

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