メドベージェフ内閣が総辞職、後任首相候補は連邦税務局長官

(ロシア)

モスクワ発

2020年01月16日

ロシアのメドベージェフ首相は1月15日、プーチン大統領の年次教書演説(2020年1月16日記事参照)の後に、内閣総辞職を表明した。当地メディアによると、プーチン大統領はメドベージェフ首相に対して、新内閣が組成されるまで職務を遂行するよう依頼した。また、安全保障会議副議長のポストを提示した(ノーボスチ通信1月15日)。プーチン大統領は同日、内閣を総辞職させる大統領令に署名した。

タス通信(1月15日)によると、プーチン大統領は同日、後任の首相候補として連邦税務局のミハイル・ミシュスチン長官を下院に指名した。同氏は、1966年生まれの53歳。モスクワ工作機械大学卒で、連邦税務局副長官、連邦不動産管理庁長官、連邦特別経済区管理庁長官、金融グループのUFG会長などを歴任、2010年4月から現在まで連邦税務局長官を務めている。

下院国家建設・法制委員会のパベル・クラシェンニコフ委員長によると、新内閣の組閣は現行憲法に基づいて行われる(タス通信1月15日)。現行憲法によると、内閣が総辞職した場合、2週間以内に大統領が首相候補者を下院に指名、下院は1週間以内に候補者を検討する。下院の同意に基づき、大統領が新首相を任命する。副首相以下の閣僚は、新首相が任命されてから1週間以内に候補者を大統領に提出し、大統領令によって任命される。

メドベージェフ首相は、プーチン大統領同席の下、閣議で内閣総辞職を表明した。その理由として、大統領が年次教書演説で提案した憲法改正案を挙げ、「憲法改正は根本的な変更を伴う。行政、司法、立法からなる権力の全体的なバランスを変えるものだ」と述べ、大統領主導による憲法改正を後押しするため、内閣総辞職を行うと表明した。

メドベージェフ首相は、ロシア歴代首相の中で最も長い期間となる7年8カ月、首相職を務めた。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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