成都で日本水産品の販路拡大へPRセミナー&商談会を開催

(中国)

成都発

2020年01月21日

水産物・水産加工品輸出拡大協議会が主催する「日本産水産物・水産加工品PRセミナー&商談会」が1月9日、四川省成都市で開催された。同イベントは、日本の水産品の輸出促進を目的とした海外におけるプロモーション活動で、成都市では3回目の開催となった。会場には、成都市の小売・流通業や飲食業を中心に約40人のバイヤーが参加し、活発な商談を行った。

日本の水産品への関心が高まる成都市場

同イベントは、食材のPRセミナー、試食会、商談会の3部で構成された。PRセミナーでは、日本産のサバやブリなどの生鮮品から、缶詰(サンマのかば焼、ニシン、焼きホタテ、カニみそ)、イカ飯といった加工食品まで、幅広い日本の水産品について、味の魅力のみならず、各食材が市場に並ぶまでの漁獲・加工・流通の各工程を紹介し、食材の安心・安全性をPRした。

成都市を含む四川省は内陸に位置しており、もともと成都市民は水産品になじみがないといわれている。四川省の人口1人当たりの年間水産品消費量は7.2キログラム(2018年)で、沿岸部の上海市(24.5キログラム)や全国平均(11.4キログラム)と比較すると、消費量は低い水準にある。一方で、成都市はフーマー・フレッシュ(盒馬鮮生)のように新鮮な水産品を扱う小売店の進出や、2019年は日系すしチェーン2社の出店などもあり、市民が水産品を食す機会が増えつつある。日本側の参加者からは「2018年に開催した第1回イベントでは、試食した来場者から『魚は生臭い』といった感想が目立ち、成都市での水産品ビジネスは難しいと考えていたが、今回は『日本の魚は新鮮でおいしい』という好意的な感想が増え、水産品に対する意識の変化が感じられた」と、成都市での水産品ビジネスに対する期待感が示された。近年は、日本の地方自治体による成都市での水産品プロモーション活動を通じて販売につながった実績もあり、地道な取り組みによって、成都市民の日本の水産品に対する関心が高まりつつある。

写真 PRセミナーの様子(ジェトロ撮影)

PRセミナーの様子(ジェトロ撮影)

写真 試食会の様子(ジェトロ撮影)

試食会の様子(ジェトロ撮影)

(寺田俊作)

(中国)

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