中国需要の増加で牛肉輸出が好調

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2020年01月17日

ブラジル牛肉輸出業協会(Abiec)は1月7日、2019年の牛肉輸出が金額(FOB価格ベース)、量ともに過去最高を記録したと発表した。輸出額は約745万ドル(前年比15.5%増)、輸出量は約183万トン(前年比12.4%増)となった。この背景には、主な輸出先である中国での需要の急増がある。中国ではASF(アフリカ豚コレラ)が猛威を振るい、大量の豚が殺処分されたため、タンパク源を海外からの輸入で代替する需要が生まれたとAbiecは指摘している。ブラジルから中国への牛肉輸出は金額、量ともに前年比で急増し、輸出額は80%増、輸出量も53%増加した。

ほかにも、アラブ首長国連邦(UAE)やロシア向けの輸出量も増加しており、アントニオ・ジョージ・カマルデリAbiec会長は「ブラジル産牛肉が海外の市場で受け入れられ、競争力を増している」と述べた。

12月時点のAbiecの分析によると、2019年はブラジル国内で中国向け牛肉輸出の認定を受けた施設が増加した。大手牛肉加工メーカーのマルフリグをはじめとして、2019年9月に17の施設、11月には5つの施設が新たに認定を受けている。ロシアやUAEといった新市場開拓も相まって、2020年も輸出額、輸出量ともに前年比2桁増加を見込んでいるという。

図1 中国、アラブ首長国連邦、ロシアへの輸出額
図2 中国、アラブ首長国連邦、ロシアへの輸出量

(古木勇生、高橋ルシア)

(ブラジル、中国)

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