米運輸省が自動運転車の新たなガイドラインAV4.0を発表

(米国)

ニューヨーク発

2020年01月23日

米国運輸省は1月8日、自動運転車(AV)の開発に関する新たなガイドライン「Ensuring American Leadership in Automated Vehicle Technologies(AV4.0)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。「安全性の確保」「新技術の開発の促進」「基準、政策の統一化などに向けた協働」を3つの柱に、AV技術における米国の主導的立場の確立を目指す。

運輸省は、2016年に自動化レベルの定義などを含む「Preliminary Statement of Policy Concerning Automated Vehicles」(2013年)の改定版を発表して以来、毎年AVのガイドライン(注)を更新しているが、今回のAV4.0では、特に技術革新を促進する上で、関係機関での情報共有やコラボレーションが重要、という点が強調された。運輸省長官のエレイン・チャオ氏は、同日にラスベガスで開催されたテクノロジー関連の見本市CES2020での基調講演外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいてAV4.0について触れ、「AVの計り知れない潜在性を顕在化するには、大統領府を含む38の連邦政府機関、州や地方自治体、学会、非営利団体、標準化団体、民間セクターなど、産官学の協働が求められている」との考えを示した。

なお米国では、自動運転車の開発や実用化に関し、連邦政府と州での役割が分かれている(表参照)。州の間でも取り組みレベルが異なり、例えばテスト走行に関わる規制などでも足並みがそろっていない。また法規制に関しては、2017年9月サイバーセキュリティーやプライバシーなどを含む規制法案「AV Start Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が連邦上院に提出されたが、いまだ成立していない。こうした中で連邦政府は、AVの実用化で欧州、中国、日本に後れを取らないよう、ガイドラインの整備を通して開発を促す努力をしている。

表 自動運転車(AV)をめぐる連邦と州の役割分担(AV2.0)

(注)これまでのガイドラインは次を参照のこと。

(大原典子)

(米国)

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