広州東駅~深セン空港の都市間鉄道が運行開始

(中国)

広州発

2020年01月07日

中国南部の広州東駅と深セン空港を結ぶ新たな都市間鉄道「穂深城際鉄道」が12月15日に開業した。全長約74キロを時速140キロで走行する。

最速1時間11分で結ぶ(途中2駅停車)が、各駅停車(途中14駅)の場合は2時間弱を要する。当初の運行本数は1日37本で、うち、深セン空港行きは午前7時から午後8時5分までの18便、広州東駅行きは午前7時45分から午後9時21分までの19便。ほとんどが各駅停車で、沿線地域の活性化を図る狙いがうかがえる。また、地下鉄路線が乗り入れる駅が半分を占める。

車両は8両編成で470席(全席自由席)。座席数を減らして立ち席空間を広く設計し、サービス定員は1,400人超。無料Wi-Fi、充電用USB差し込み口も利用でき、おむつ替え用のベビーベッドを設置したスペースもある。

これまで、広州と深センを結ぶ鉄道は「広深港高速鉄道」と、在来線に相当する「広深城際鉄道」の2路線が運行している(図参照)が、いずれも乗客が多くて混雑しており、広州と深セン間の移動を優先しているため、途中の停車駅が少ない。また「広深港高速鉄道」は、深セン北駅と広州南駅を最速で30分間弱で結ぶが、広州南駅は郊外にあるため、広州市中心部まで地下鉄で約30分間の移動時間を要する。「広深城際鉄道」のターミナル駅はにぎやかな旧市街に位置するものの、両地点間の所要時間は1時間30分弱、深セン空港にアクセスするには地下鉄に乗り換える必要もある。

図 「穂深城際鉄道」と広州と深センを結ぶ既存2路線の位置関係

「穂深城際鉄道」は東莞市内では10駅に停車する。東莞市はこれまで深セン空港へのアクセスが不便だったため、地元住民や同市に進出する約500社の日系企業関係者なども今回の開通を歓迎している。

乗車料金はこれまで運行している上述2本の鉄道と同水準で設定されている(表参照)。始発から終着まで乗車する場合は81元(約1,215円、1元=約15円)。

表 広州~深センの鉄道料金比較

(盧真)

(中国)

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