デバイス当たりの1日平均モバイル利用時間で世界3位

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年01月27日

米国アップアニーが1月15日に発表した「モバイル市場年鑑2020」によると、2019年のブラジルのユーザーによる平均的な1日のモバイル利用時間は、インドネシアと中国に次ぐ世界3位で、インドを上回る結果となっている(ブラジル:3時間45分、世界平均:3時間40分)。

ブラジルの特徴としては、治安が悪いため現金を持ち運ぶ必要がないキャッシュレスのオンライン決済が進み、金融取引を行う「ファイナンスアプリ」の合計セッション数が世界3位となった。これは、国営や民間の金融機関が提供するアプリケーションに加え、ユニコーン企業のヌーバンクが銀行口座を開設できなかった層にサービスを提供していることも要因の1つと考えられる。ヌーバンクはモバイル市場年鑑で、ブラジルで2019年に最もブレイクしたファイナンス・アプリケーションとなっている。

また、ライドシェアアプリのセッション数の増加率(2019年上半期、前年比)と、各国ライドシェアの占有率の両視点から、ブラジルは米国を上回っており、配車に関するアプリケーションが果たす役割の大きさがうかがえる。ブラジルではウーバーのほか、タクシー配車アプリケーションの99が存在している。ブラジルにはタクシーだけが走行できるタクシーレーンと呼ばれる道路があり、それを利用できる99のタクシーと、そうでないウーバーのすみ分けができていることから、両アプリの使用頻度が高い。

ブラジル最大の都市サンパウロでは、以前と比べると、家族帯同の駐在員でも自動車を保有せずライドシェア・アプリケーションを使って生活するケースも増えてきている。

(古木勇生)

(ブラジル)

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