2019年のGDP成長率は7.0%、前年に続いて高成長

(ベトナム)

ハノイ発

2020年01月14日

ベトナム統計総局は12月27日、2019年の実質GDP成長率(推計値)を前年比7.0%と発表した。政府の目標値6.6~6.8%を上回り、前年に続いて7%台の高成長を維持した(図参照)。

図 実質GDP成長率の推移

四半期別の成長率は、第1四半期6.8%、第2四半期6.7%、第3四半期7.5%、第4四半期(推計値)7.0%だった。産業別では、農林水産業が2.0%(前年比1.8ポイント減)、鉱工業・建設業が前年と同じ8.9%、サービス業が7.3%(0.3ポイント増)となった(表参照)。

表 実質GDP成長率と消費者物価指数(CPI)

農林水産業は、干ばつや異常気象、ASF(アフリカ豚コレラ)感染拡大などによる損害が影響した。鉱工業・建設業の中では、製造業が11.3%で成長を牽引したが、2017年(14.5%)と2018年(13.0%)と比べると成長率は鈍化した。

2020年のGDP成長率の目標は6.8%に定められているが(2019年12月9日記事参照)、統計総局のグエン・ビック・ラム局長は「経済成長の大きな役割を担う製造業が直近3年間で最も低い成長率となり、2019年第4四半期に特に落ち込んだ」と述べ、2020年以降も同じ傾向が続くのではないか、と懸念する。

消費者物価指数(CPI)上昇率の2019年(推計値)は前年比2.8%で、直近の3年間で最も低く、政府の目標値4%以下に収まった。一方、今後の見通しについて、統計総局の担当者は「2020年の目標値は4%未満に定められているが、豚肉価格を含め、テト(旧正月)前の食品全体の価格上昇や賃金上昇、医療費、教育費の引き上げ状況によっては、目標値を超過してしまう可能性がある」と指摘した。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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