国際収支が5カ月連続黒字、2019年11月は5億4,100万ドル

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月10日

フィリピン中央銀行(BSP)は2019年12月19日、11月の国際収支が5億4,100万ドルの黒字で、5カ月連続の黒字を記録したと発表した。8億4,700万ドルの黒字を記録した前年同月比で黒字幅は36.1%(3億600万ドル)減少したが、前月(1億6,300万ドルの黒字)比で黒字幅は3.3倍(3億7,800万ドル)増加した。

2019年に入ってから、5月(9億2,800万ドルの黒字)、3月(6億2,700万ドルの黒字)に次いで3番目に高い黒字を記録した。BSPは改善の理由について、フィリピン政府の外貨預金やBSPの海外投資配当の増加が反映されたと説明した。

2019年1~11月の国際収支累計は62億7,000万ドルの黒字となり、47億5,000万ドルの赤字を記録した前年同期比で、収支は110億2,000万ドル改善した。

BSPは同期の国際収支累計の改善理由として、フィリピン人海外労働者(OFW)を含む在外フィリピン人からの送金額(銀行送金ベース)が2019年1~10月の累計で過去最高の248億5,800万ドル(前年同期比4.6%増)に達したことを挙げた(2020年1月8日記事参照)。また、11月末時点の総外貨準備高(GIR)が国全体の輸入額の7.5カ月分、短期対外債務の5.4倍に相当する862億3,000万ドルと、GIRが十分な流動性を保っている点を反映しているとした。

フィリピンの国際収支は2016年から3年連続で赤字となっており、特に2018年通年は23億600万ドルの赤字と、28億5,800万ドルの赤字を記録した2014年以降最も赤字幅が大きかった。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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