2019年10月の在外フィリピン人からの送金額、前年同月比8%増の27億ドル

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月08日

フィリピン中央銀行(BSP)は12月16日、2019年10月のフィリピン人海外労働者(OFW)を含む在外フィリピン人からの送金額(銀行送金ベース)が前年同月比8.0%増の26億7,100万ドルとなったと発表した。

クリスマス休暇前の第4四半期(10~12月)は、GDPの7割を占める国内消費が活発となり、毎年海外からの送金額も高くなる傾向がある。海外からのこうした送金が7年連続の6%以上の経済成長に寄与している。クリスマス休暇に向けて11月以降も送金額は伸びることが想定されるが、為替レートは10月末に1ドル50ペソ台に突入、11月に入ってからも50ペソ台を維持するなど、第4四半期に進行しているペソ高が少なからず送金の抑止効果となると考えられる。

図 在外フィリピン人による送金額推移

1~10月の送金額は前年同期比4.6%増の248億5,800万ドルとなり、陸上職が3.8%増の194億3,600万ドル、海上職が7.5%増の54億2,200万ドルとなった。

1~10月の送金額を国・地域別でみると、米国が93億4,666万ドル(前年同期比13.9%増)、サウジアラビアが17億8,004万ドル(3.9%減)、シンガポールが15億6,501万ドル(2.7%増)、日本が14億220万ドル(12.6%増)、アラブ首長国連邦(UAE)が13億6,007万ドル(19.8%減)、英国が12億6,717万ドル(3.4%増)、となった。香港は6億5,197万ドルと前年同期比で5.0%減少しており、過激化するデモが少なからず影響しているとみられる。

表 在外フィリピン人による送金元別送金額

(坂田和仁)

(フィリピン)

ビジネス短信 327064a5f3a4769b