在中国EU商会、新型コロナウイルス拡大で不足する物資の供給を緊急要請

在中国EU商工会議所に相当する中国EU商会は1月28日、湖北省武漢市などで感染が拡大している「新型コロナウイルス」問題を受けて、医療用の防護服など中国で不足している物資のリストを公表し、該当物資の供給や中国国外のサプライヤーの紹介を緊急要請した。

中国EU商会が明らかにした中国での不足物資は次のとおり。

• 医療用ゴム製防護服（Medical rubber protective clothing）
• 医療用防護マスク（Medical protective mask）N95、GB19083－2010
• 医療用マスク（Surgical mask）YY0469－2011
• 医療用安全ゴーグル（Medical safety glasses）
• 医療用フェースシールド（Face shield for medical use）
• 医療用使い捨て防護服（Disposable protective clothing for medical use）

これらの物資が中国で払底状態にあることから、同会は中国国外のサプライヤーの紹介を求めている。また、当該物資の中国向け供給が可能、あるいは輸出に関心がある場合、メールアドレスを公表している同会担当者への連絡も求めている。世界に展開するEU商工会議所にも既に当該物資の供給を要請済みだという。

同会は中国の国家衛生健康委員会と国家薬品監督管理局に書面で支援の意向を表明、南京や上海、南部、南西部、瀋陽、天津の医療当局の地方支部などにも連絡を取っている。会員の欧州企業の多くもそれぞれ独自の支援対策を実施、中国政府機関との連携を図っているという。

公衆衛生などに関わるEU専門機関の欧州疾病予防管理センター（ECDC）は1月30日、新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者の対応に当たる「医療従事者向けアドバイス」「中国への、もしくは中国からの旅行者向けアドバイス」というタイトルの冊子の電子データを加盟各国で活用可能なひな型として公表した。

欧州議会は1月29日、新型コロナウイルス問題について、EUとしての現状分析と対策を協議した。

（前田篤穂）