残業代を非課税とする法案が提出、2,670万人に恩恵
(フィリピン)
マニラ発
2020年01月16日
残業代を非課税とする法案「上院第601号」が、フィリピンの今国会で審議されている。残業代を課税対象と定める現行の内国歳入法第32条を改正し、所得税の課税対象から外すことを定める。
法案立案者のラルフ・レクト上院議長は法案提出の理由について、残業を課せられた労働者は本来、家族と過ごし、身体を休めるために使うことができる時間帯に、企業の経営目標達成のために余分な労働を余儀なくされているとし、課税対象から外すことは当然の措置だと説明した。
残業代を非課税とすることで、政府の歳入はいったん減少するが、実質賃金が向上することによって消費が活性化し、より多くの製品やサービスが売れることにより、結果的に歳入は改善するとした。レクト氏によると、本法案が成立した場合、公的機関や民間企業の合計2,670万人の労働者が恩恵を受けるという。
現行の労働法は1日当たりの労働時間の上限を8時間と定め、これらを超過する場合は、雇用主が労働者対して平日は25%以上、休日の場合は30%以上、基本給から割増した時給を支払うと定める。
なお、上院第601号は第2条において、法案の発効から30日以内に財務省長官が施行細則(IRR)を発すると定める。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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