トランプ米大統領の罷免への賛否拮抗、再選支持率は4割で推移、米モンマス大学世論調査

(米国)

米州課

2020年01月27日

米国ニュージャージー州のモンマス大学は1月21、22日、ドナルド・トランプ米大統領などに関する世論調査結果を発表した(注)。

トランプ大統領罷免への賛否が拮抗も、証人喚問の動きは支持

1月22日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、トランプ大統領の2020年大統領選挙での再選支持率は41%、再選不支持率は57%で、再選支持率は2019年11、12月の調査に続けて4割台で推移した(表1参照)。21日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、下院が2019年12月にトランプ大統領を弾劾訴追したが、今後の上院での弾劾裁判で同大統領が「罷免されるべき」は49%、「罷免されるべきではない」は48%と、賛否が拮抗(きっこう)する結果となった。弾劾への賛否を聞き始めて以降、初めて賛成が反対を上回った。ただし、弾劾訴追前に実施された12月の前回調査(賛成45%、反対50%)と比べ、それぞれ小幅な変動にとどまっている。

他方、上院での弾劾裁判手続きをめぐっては、トランプ政権の高官の裁判での証言について、80%が「証言を強制すべき」または「強制すべきではないが、証言を求めるべき」と回答した。同じくトランプ大統領に対しても、76%が少なくとも証言を求めるべきとしており、裁判への証人喚問は政党を超えて支持されている。

表1 トランプ大統領の再選支持率

民主党予備選、早期実施州の動向に注目

1月22日の発表では、今回の調査で、2020年大統領選挙に向けた民主党予備選挙で候補者の誰を支持するかという質問に対しては、ジョー・バイデン氏が30%で、支持率トップを守った(表2参照)。次いで、バーニー・サンダース氏(23%)、エリザベス・ウォレン氏(14%)が続き、上位3人の順位は前回調査から変わらなかった。2019年11月下旬に立候補を表明したマイケル・ブルームバーグ氏が9%で4位となり、これまで支持率を着実に伸ばしていたピート・ブティジェッジ氏(6%、5位)を支持率で抜いた。

各候補者の詳細は、2020年1月14日記事参照

表2 民主党候補者の支持率

モンマス大学世論調査研究所のパトリック・マレイ部長は、民主党の候補者争いの構図に大きな変化は起きていないもの、アイオワ州とニューハンプシャー州で行われる最初の党員集会、予備選挙が、その後の国民の投票行動に大きな影響を与える可能性があることを指摘している。実際に世論調査では、アイオワ州やニューハンプシャー州のような早期に予備選が実施される州の投票者が最終的な候補者指名に与える影響を聞いたところ、過半数(56%)が「影響は大きい」と回答し、「ある程度影響する」(25%)、「影響は小さい」(8%)に大きく差をつけた。民主党の候補者指名争いに関しては、アイオワ州では2月3日に党員集会が、ニューハンプシャー州では2月11日に予備選挙が、それぞれ他州に先駆けて実施される予定だ。

(注)1月21、22日とも調査の実施時期は1月16~20日、対象者は全米の成人903人、うち民主党支持者372人。

(甲斐野裕之)

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