米国、2019年第3四半期の貿易赤字は2期ぶりの減少

(米国)

ニューヨーク発

2020年01月23日

米国商務省が2019年12月19日に発表した、2019年第3四半期(7~9月)の貿易統計(国際収支ベース、季節調整済み)によると、輸出(財・サービス)は前期比0.2%減の6,258億ドル、輸入は0.4%減の7,832億ドルだった(添付資料の表1、図参照)。その結果、貿易赤字は2期ぶりに減少し、前期より18億ドル少ない1,574億ドルとなった。財、サービスの内訳では、財が2,196億ドルの赤字、サービスが622億ドルの黒字だった。

財貿易をみると、輸出が前期比0.2%減の4,138億ドル、輸入が0.7%減の6,334億ドルだった(添付資料の表2参照)。原油価格の下落などの影響で、輸出入ともに石油および石油製品(原油を含む)が主な押し下げ要因となった。米国エネルギー情報局(EIA)によると、この期間の米国産の原油単価(WTIスポット)は2期連続で値下がりし、1バレル当たり平均で前期より3.41ドル低い56.37ドルだった。

なお、米国が1962年通商拡大法232条に基づき、2018年第1四半期(3月23日)に追加輸入関税の賦課を開始(2018年3月9日記事参照)した鉄鋼、アルミニウムの輸入額(注)は2018年第3四半期から連続して減少し、前年同期比で鉄鋼は21.2%減、アルミニウムは55.8%減といずれも大幅に減少した。

財貿易を主要国・地域別にみると、輸出ではインド(前期比20.8減)、メキシコ(1.7%減)、輸入では中国(2.1%減)、日本(2.8%減)、カナダ(1.1%減)などが押し下げた(添付資料の表3参照)。

対日貿易赤字は、輸入減の影響で1年ぶりに減少し、前期比8億ドル減の181億ドルとなった。

対中貿易赤字額は、輸入減の影響により3期連続で縮小し、前期比31億ドル減の866億ドルだった。

(注)追加関税賦課対象品目の輸入額の合計。

(大原典子)

(米国)

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