ベトナム政府、日本に「質」の高い投資を求める

(ベトナム)

アジア大洋州課

2020年01月23日

ジェトロはベトナム計画投資省などと1月13日、「日越投資・人材活用促進セミナー」をベトナム・ダナンで開催した。これは、自民党幹事長で日越友好議員連盟の二階俊博会長率いる1,000人規模の「日本ベトナム文化経済観光交流団」の併催行事の1つで、本セミナーには、日越両国の政府、企業関係者ら約400人が参加した。

日越投資・人材活用促進セミナーをダナンで開催

本セミナーでは、ジェトロや在ダナン日本商工会議所会頭らから当地の現状について報告があったほか、ベトナム計画投資省外国投資庁(FIA)のドー・ニャット・ホアン長官およびベトナム中部地域の市・省が投資環境などを説明した。また、後半は人材活用をテーマとし、日越政府や送り出し機関から事業や取り組みの紹介などがあった。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

フエ副首相、「質の高い投資」を呼び込むことを強調

同セミナーに先立って開催された観光シンポジウムとの合同開会式において、ブオン・ディン・フエ副首相は「日本とベトナムは、投資、観光、労働の分野において共通の利益がある。世界経済の不調、保護主義が拡大する中、両国関係の強化が必要だ」と述べた。また、近年拡大を続ける外国直接投資について、「ベトナムは、高い効率性、高度な技術、環境への配慮など質を重視している。日本には、質の高い投資国であることを期待する」とした。ベトナム共産党中央委員会は2019年8月に、決定書50-NQ/TW「2030年までに、外国投資協力について制度・政策を完成させ、質と効率を高めるための方向性を示す、中央委員会による決定」を公布しており(2019年10月16日付地域・分析レポート参照)、今回のセミナーにおいても、外国投資に対して「質」を求めるベトナム政府の方針がうかがえた。

計12件の協力覚書(MOU)に署名、交換

また、セミナー前日の1月12日には、協力覚書(MOU)署名・交換式が、二階幹事長とグエン・スアン・フック首相立ち合いの下、ホイアン近郊のホテルで行われた。経済、防災、観光や自治体交流などに関する12件のMOU署名および交換が行われた(添付資料参照)。

写真 協力覚書(MOU)署名・交換式の様子(ジェトロ撮影)

協力覚書(MOU)署名・交換式の様子(ジェトロ撮影)

(上田弘大)

(ベトナム)

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