2019年の高級車の販売は引き続き増加

(中国)

上海発

2020年01月23日

中国の2019年の自動車販売台数は前年比8.2%減の2,577万台と2年連続の減少となり、乗用車販売台数も9.6%減の2,144万4,000台だったが(2020年1月17日記事参照)、高級車に関しては前年比増加となった(表1参照)。

表1 乗用車と高級車の販売台数の前年比増減

2019年の高級車全体の販売台数は約286万台で前年比8.0%増となった(注)。中でもBMW、ベンツ、アウディのドイツ系3社が高級車販売を牽引している(表2参照)。また、レクサスとボルボも前年比で大幅な販売増をみせているが、ゼネラルモーターズ(GM)のキャデラックは販売台数が減少、フォードのリンカーンも前年比15.7%減の4.7万台となっており、米国車のシェア低下がみられた。

表2 2019年の主な高級車販売台数の推移 

価格面からも高価格帯の新車販売台数が増えていることがうかがえる。購入価格帯が30万元(約480万円、1元=約16円)以上の乗用車販売台数が全体に占める割合は2015年の3.5%から2019年の7.5%に拡大し、4年間で倍以上に増えている(表3参照)。

表3 購入価格帯の変化

2020年の自動車市場の見通しについて、業界団体の中国自動車工業協会の許東海秘書長助理は、前年比2%減の2,531万台という予測を述べているが(12月12日に湖南省長沙市で行われた2020年中国自動車市場発展フォーラムでの発言)、高級車の販売動向が注目される。

(注)高級車全体の販売台数はベンツ、BMW、アウディ、キャデラック、レクサス、ボルボ、ポルシェ、リンカーン、インフィニティ、アキュラなどの合計台数をジェトロで算出した。

(高橋大輔)

(中国)

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