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「一帯一路」鉄道輸送、西行き貨物の増加続く、仕向け地も多様化

(カザフスタン、中国、ウズベキスタン、欧州)

タシケント発

2020年01月31日

「一帯一路」イニシアチブの中核となる中国と欧州を結ぶ鉄道輸送で、中国とカザフスタン国境にあるカザフスタン鉄道のアルティンコリ駅は、中国から西へ向かう鉄道貨物が最初に通過する検査場・(狭軌から広軌への)積み替え場だ(注1)。カザフスタン鉄道によると、同駅の中国から西(欧州、中央アジア、ペルシャ湾岸、コーカサス)に向かう鉄道貨物量については、2019年は年初予想を大きく上回り、前年比54.4%増の359万9,128トンとなった。

東行き貨物(中国向け)も含めた同駅全体の鉄道貨物輸送量(2019年)は420万9,004トンで前年比55.6%増だった(図参照)。西行きコンテナ貨物の2019年の輸送実績は列車数で1,491本、コンテナ数では14万754TEU(20フィートコンテナ換算)となった。仕向け地別では欧州(主としてドイツ・デュイスブルク)向け、中央アジア諸国向けが大きく実績を伸ばしたほか、ペルシャ湾岸諸国向け、カスピ海経由(コーカサス・黒海向け)ルート(TMTM:注2)も実績を積み上げた(表参照)。

図 アルティンコリ駅の貨物取扱量
表 アルティンコリ駅経由の西行きコンテナ貨物輸送実績(仕向け地別)

アルティンコリ駅責任者のアドレト・アイトベク氏はジェトロのインタビューに対し、貨物輸送量が増加した要因の1つとして「各国鉄道当局間の協力」を挙げ、引き続き各国が努力し、鉄道輸送料金を一層競争力あるものにするとコメントした。このほか最近の変化として、同駅経由ウズベキスタン向け貨物が増加していること、2020年1月から日系ブランド乗用車(完成車)の西向け鉄道試験輸送が開始されたことを挙げた(1月24日)。

写真 アルティンコリ駅責任者(駅長)のアドレト・アイトベク氏。アルティンコリ駅は2012年末から操業を開始している(ジェトロ撮影)

アルティンコリ駅責任者(駅長)のアドレト・アイトベク氏。アルティンコリ駅は2012年末から操業を開始している(ジェトロ撮影)

輸送量の増加に伴い、アルティンコリ駅に隣接する特別経済区「ホルゴス~ボストーチニェ・ボロタ」内にあるドライポート(積み替えターミナル)「ホルゴス・ゲートウエー」(注3)の稼働率は80%に達している。

写真 ドライポート「ホルゴス・ゲートウェイ」貨物積み替えヤード。左が中国の軌間、左がカザフスタン(旧ソ連)の軌間。国旗で示されている(ジェトロ撮影)

ドライポート「ホルゴス・ゲートウェイ」貨物積み替えヤード。左が中国の軌間、左がカザフスタン(旧ソ連)の軌間。国旗で示されている(ジェトロ撮影)

写真 「ホルゴス・ゲートウェイ」カザフスタン側商業副部長ナジヤム・イブラギモワ氏(左)と中国側同部長の除海峰氏(COSCO出身)(ジェトロ撮影)

「ホルゴス・ゲートウェイ」カザフスタン側商業副部長ナジヤム・イブラギモワ氏(左)と中国側同部長の除海峰氏(COSCO出身)(ジェトロ撮影)

(注1)カザフスタン・中国国境ではアルティンコリ~ホルゴス(中国)と、ドスティク(カザフスタン)~アラシャンコウ(中国)の2カ所が鉄道輸送の中継点となる。西行き貨物の6割がアルティンコリ~ホルゴスを経由し、東(中国)行き貨物の75%はドスティク~アラシャンコウを通過する(2019年実績)。鉄道関係者によると今後、液体貨物を除く西行き貨物は徐々にアルティンコリ駅経由に集約される方向で、両国間において合意されている。

(注2)「Trans-Caspian International Transport Route」の省略形(ロシア語)。

(注3)「ホルゴス・ゲートウエー」の株式の51%はカザフスタン鉄道、49%は中国側(COSCO:中国遠洋運輸集団など)が所有している。一方、中国江蘇省・連雲港にはカザフスタン鉄道が49%出資するターミナルがある。

(高橋淳)

(カザフスタン、中国、ウズベキスタン、欧州)

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