2019年の輸出、半導体などの不振で前年比10%減

(韓国)

ソウル発

2020年01月29日

韓国貿易協会は1月20日、2019年通年の輸出入統計を発表した。それによると、輸出は前年比10.3%減の5,423億3,300万ドル、輸入は6.0%減の5,032億5,900万ドルとなった。

貿易黒字は前年に比べ縮小したものの、390億7,400万ドルを記録した。韓国産業通商資源部は輸出の減少について、米中貿易摩擦や日本による輸出管理制度の運用見直し、ブレグジット(英国のEU離脱)、香港情勢などといった厳しい対外貿易環境に加え、半導体や石油化学、石油製品などの業況不振の影響があったと分析した。

輸出を品目別(韓国独自コードのMTI3桁ベース)にみると、主要品目の半導体をはじめ、石油製品や自動車部品、平板ディスプレー・センサーなどが減少した(表1参照)。

表1 韓国の主要品目別輸出

地域別にみると、北米を除く全ての地域が減少した(表2参照)。国・地域別では、米国が自動車や自動車部品、石油製品などが増加して、前年比0.9%増になり、中国は半導体や平板ディスプレー・センサー、石油製品、合成樹脂などが減少して16.0%減となった。日本は石油製品や半導体、精密化学原料、自動車部品などの減少で6.9%減だった。

表2 韓国の主要国・地域別輸出

輸入を品目別にみると、原油や天然ガス、石油製品、石炭、半導体製造装置などが減少し、半導体や無線通信機器、衣類の輸入が増加した(表3参照)。

表3 韓国の主要品目別輸入

地域別にみると、北米、中南米を除く地域が減少した(表4参照)。国・地域別では、米国は原油や航空機・部品、液化石油ガス(LPG)などが増加して前年比5.1%増となり、中国は半導体や無線通信機器などを中心に0.7%増だった。一方、日本は半導体や半導体製造装置、鉄鋼板などが減少して12.9%減となった。

表4 韓国の主要国・地域別輸入

なお、日本の経済産業省が2019年7月1日に発表した「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」を受け、7月4日から韓国が包括輸出許可制度の対象国から外れ、個別許可が必要となった半導体材料3品目(レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミド)の日本からの輸入は、レジストが10.2%減、フッ化水素が45.7%減となった一方で、フッ化ポリイミドは59.5%増となった(表5参照)。

表5 韓国の半導体主要素材の国・地域別輸入額現況

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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