米格付け会社2社とIMF、政府の債務再編への取り組み評価

(モザンビーク)

マプト発

2019年12月09日

米国格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は11月22日、モザンビーク政府の外貨建て短期および長期債務格付けを「SD」(選択的デフォルト)から、「CCC+/C」に引き上げ、デフォルトカテゴリーから除外した(「クラブ・オブ・モザンビーク」11月22日)

S&Pの定義では、「CCC+/C」は「債券発行体の財務的バックグラウンドは脆弱(ぜいじゃく)であり、特定の産業、財政、経済状況に依存」していることを示す。S&Pは今回の格上げの根拠として、政府が8月27日に発表した約7億2,700万ドルの非開示債務の再編(2019年9月10日記事参照)が10月30日までに完了し、返済期限が延長された新債務へと切り替わったことで、デフォルトリスクが低減された点を挙げている。

米国格付け会社フィッチも債務再編の完了を受けて、11月7日に外貨建て長期債の格付けを「RD」(制限付きデフォルト)から「CCC」(デフォルトの現実的な可能性がある)に引き上げたとウェブサイトで発表した。デフォルトのカテゴリーから除外されたことになる。モザンビーク経済団体連合会(CTA)のアゴスティーノ・ブマ会長は11月27日、一連の格上げは外部資金調達の機会を増加させると期待感を表明した(「クラブ・オブ・モザンビーク」11月27日)。

11月6~12日にかけてモザンビークの経済動向評価とマクロ経済予測を目的としたミッションを派遣したIMFも、11月13日に声明を発表し、政府による非開示債務再編への取り組みを評価した。経済予測に関しては、2019年上期の2度のサイクロンによる農業被害が影響し、2019年の実質GDP成長率は2.1%に下方修正したものの、2020年は被災地復興による反動もあり、5.5%成長に回復するとの見通しを示した。IMFからの評価を受けて国内メディアは、2020年1月の新内閣発足後にIMFとの支援再開協議を始める準備が整うとの見方を示しており、当地では経済回復への期待感が高まっている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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