社会連帯・生産性回復法案を議会に提出

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年12月19日

アルゼンチンのマルティン・グスマン経済相は12月17日、社会連帯・生産性回復法案を下院に提出した。この法案は低所得者層の収入の改善、経済の再活性化の促進などを目指している。

12月17日付「インフォバエ」紙によると、法案は12編から構成されている。政府債務の持続可能性、税の義務、輸出の権利などを掲げており、経済活動に影響を及ぼす変更も盛り込んでいる。具体的には、歳入面ではドルなどの外貨を購入する際に30%の税金を課すことや、輸出税率を引き上げた一部農産品(2019年12月17日記事参照)にさらに3%の増税を行うこと、歳出面では高齢者への最大1万ペソ(約1万8,000円、1ペソ=約1.8円)のボーナス支給、ガスや電気など公共料金の180日間凍結といったプログラムが含まれている。

政府は、早期に法案を成立させることを狙っている。12月18日付「インフォバエ」紙によると、野党は、法案が政府に過大な権限を与えるとともに、立法府を形骸化させると批判している。例えば、法案には、これまでよりも幅広い権限を大統領に与える条項(第85条)をはじめ、政府が民間部門の給与引き上げを強制できるとする条項(第54条)があるとなどの要素も含まれている。なお、政府は18日、第85条は撤回する意向を表明した。

12月18日付「クロニスタ」紙は、現地民間エコノミストの予測として、同法が施行された場合、GDP比で1~2%程度の歳入増が見込まれると報じている。また、法案発表直後の17日のカントリー・リスク指数(EMBI指数)は前日比7.5ポイント減の1,977ポイントを示すなど、アルベルト・フェルナンデス新政権の経済立て直しの方向性に対して好意的な反応をしている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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