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新政権が輸出税率の引き上げ発表、農業団体からは強い批判の声

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年12月17日

アルゼンチンのフェルナンデス政権は12月14日、政令37/2019号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、輸出税制度を変更し、課税率の引き上げを発表した。同政令によると、2018年9月3日付の政令793/2018号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの第2条で制定されていた輸出申告額(FOB価格)1ドル当たり4ペソ(約7.2円、1ペソ=約1.8円)の上限税額(2018年9月5日記事参照)を無効とし、また上限を1ドル当たり3ペソとした対象品目は付属書Iに記載される品目に変更し、さらに付属書IIの品目に対しては、9%の輸出税を課税する。

2018年に定められた政令では、全ての消費財に対し12%の輸出税が課せられ、そのうち1ドル当たり4ペソを上限とする品目と、1ドル当たり3ペソを上限とする品目が区別されていた。今回の政令では、1ドル当たり4ペソの上限分を破棄したことにより、付属書に記載される品目以外に対しては12%の税率が課される。大豆および関連品の場合は、特別措置として18%の固定税率が課されており、今回さらに12%の対象品目であることから、これまで24.7%だった税率は、合計30%まで引き上げられる。また、トウモロコシや小麦の輸出税は6.7%から12%に引き上げられる(表参照)。

今回の政令では、「財政が直面している深刻な状況」が原因で、「緊急の財政措置を実行する必要がある」と説明されている。その一方で、農業団体側は、政権交代後の輸出税の引き上げは想定していたものの、政府および関連団体間で協議もなく、政令が発表されたことを強く批判している。アルゼンチン農業連盟(CRA)のホルヘ・チェメス会長は「この国における農業の重要性が理解されていない」と訴え、さらに、北部農業協会からは「生産にかかるコスト、港までの遠距離による輸送コスト、国際価格の低下や干ばつの悪天候に見舞われている中、このような発表があれば、投資が減少するだけでなく、肥料の消費の削減から農業機械や農業技術の需要が大きく落ち込む」と主張した。

フェルナンデス大統領は、2008年に穀物に対する輸出税率の上限を引き上げる経済生産省決議125号の発表がもたらした、政府と農家・農業団体間の強い対立が発生した当時、クリスティーナ・フェルナンデス前大統領の首相を務めていた。同法案は議会で否決に終わり、当時のアルベルト・フェルナンデス首相は辞任を余儀なくされた。今回の新政権の取り組みに対しても、農業関係者や野党支持者の抗議が強まる可能性がある。2019年12月14日付官報では、農牧水産省決議196号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて、12月16日の穀物取引申告に必要な外国販売宣誓申告書(DJVE)制度を停止させる旨も公布されていることから、新たな措置が発表されるとみられる。

表 主な農産品に対する輸出税率

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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