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米中第1段階合意、両国政府発表に相違点も

(中国、米国)

北京発

2019年12月17日

国務院新聞弁公室は12月13日、記者会見を開き、中国政府部門の各担当者が米中経済貿易協議の合意の内容について説明した。

同記者会見において、商務部の王受文副部長は、米中両国が経済貿易協議の文書について合意に達したと発表した。合意文書は、序言、知的財産権、技術移転、食品と農産物、金融サービス、為替レートと透明性、貿易の拡大、双方の評価と紛争解決、最終条項、という9つの章から構成されること、米国は段階的に中国原産品に対する追加関税の賦課を取りやめることを承諾したことを明らかにした(2019年12月16日記事参照)。

王副部長ら各担当者の説明では、「本合意は中国の改革開放の深化や消費のグレードアップに寄与する」といった合意の意義が強調された。

一方で、合意事項と合意文書に盛り込まれる内容について、中国政府の同記者会見における説明内容と米国通商代表部(USTR)の発表を比較すると、中国側は「技術移転」「金融サービス」「為替レートと透明性」「双方の評価と紛争解決」の項目について、具体的措置に言及しなかった(表参照)。

表 米中両国政府の第1段階合意事項および合意文書に関する発表の概要

「食品と農産物」「貿易の拡大」については、中国側は「合意実施後に、米国から小麦、トウモロコシ、コメを輸入する」などと言及したものの、米国側が発表した具体的な購入額には触れていない。

また、合意文書の署名について、廖岷財政部副部長は「各国での法律審査、翻訳の確認などの必要な手続きを経た後に、署名場所や場所などを決める」と述べるにとどめ、具体的な時期などは明らかにしなかった。

米国が求める構造改革については、寧吉喆国家発展改革委員会副主任が「両国は、米中貿易協力が両国の資源配置の改善や経済構造の調整に資するとの認識を共有した」と説明したものの、トランプ大統領が同日、「中国が多くの構造改革に同意した」とツイートしたことや、合意文書の中に厳格な合意履行の仕組みが盛り込まれたといった見方について、意見を求められた廖副部長は具体的な回答を避けた。

同記者会見で、具体的な内容が説明されなかった構造改革や「双方の評価と紛争解決」については、以前から中国の有識者の中にも合意が困難との見方があり、今後の署名に向けて中国政府の担当部門による国内への説明や手続きがスムーズに進むか、注視する必要があるだろう。

(藤原智生)

(中国、米国)

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