電通、大手デジタルエージェンシーのシェフを買収

(コロンビア)

ボゴタ発

2019年12月05日

電通は12月4日、コロンビアの大手デジタルエージェンシーのシェフ・スマートマーケティングミックス(以下、シェフ)の買収を発表した。金額は未公表だが、シェフの株式100%を取得する。

シェフは2010年に設立され、コロンビアでは有力な独立系デジタルエージェンシーだ。メデジン市に本社を構え、顧客には国内大手商業銀行のバンコロンビアや、マスターカード、宅配アプリのラピ、保険大手のスーラ、アビアンカ航空、小売り大手のエクシトなどが名を連ねる。

今回の買収は、電通の海外事業を統括する電通イージス・ネットワークを通じて行われた。買収により、電通のグローバルネットワーク・ブランドの1つであるアイソバー(Isobar)のコロンビアや南米における事業拡大とサービス機能の強化を目指す。

調査会社のイーマーケターによると、コロンビアでのデジタル広告分野の投資額は拡大傾向にあり、2022年にはマーケティング・コミュニケーション分野全体への投資額の25%を占めるとみられる。電通イージス・ネットワーク・コロンビアのエクトル・ファビアン・ブラ最高経営責任者(CEO)は、「両社の知識と才能が合わさることで新たなコンテンツの創造につながる。新たな経験を提供し、顧客のデジタル・トランスフォーメーションを加速させていく」と今後の展望を述べた。また、シェフのフェリペ・タマヨ代表は「メデジンはイノベーションセンターとして世界的に知られるようになってきた。この地域の戦略的役割をさらに拡大・探究することに挑戦し続ける」と語った。

メデジンはコロンビア第2の都市で、科学技術・イノベーション誘致に積極的に取り組んでいる。2018年7月にはアクセンチュアが同市に先端技術センターを開設、4月には国際機関の世界経済フォーラム(WEF)の第4次産業革命センターが中南米では初めてメデジンに開設された(2019年2月12日記事参照)。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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