第3四半期のGDP成長率、前年同期比2.99%と堅調
(台湾)
中国北アジア課
2019年12月19日
台湾行政院主計総処(以下、主計総処)は11月29日、2019年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前年同期比2.99%と発表した(図1、2参照)。2019年通年予測は8月発表の2.46%から2.64%へと上方修正した。併せて、第1四半期(1~3月)を1.84%(8月発表から0.01ポイント上昇)、第2四半期を2.60%(同0.2ポイント上昇)にそれぞれ修正した。2020年通年の成長率予測も8月発表の2.58%から2.72%へと上方修正した。
主計総処は5年置きに国民所得統計の基準年を改定しているが、今回、基準年を2016年とし、過去5年分のGDP成長率がさかのぼって改定された。これにより、2012年から2018年の年平均経済成長率は2.73%となった。
外需の寄与度は2期連続でプラス
第3四半期の成長率を需要項目別寄与度でみると、内需は1.50ポイントと、前期の1.82ポイントからやや低下した(表参照)。主計総処によると、モデルチェンジによる新車の販売増や電動バイクの販売増、百貨店の販売促進により、民間消費は前年同期比2.28%増、寄与度も1.16ポイントとなった。
固定資本形成は、半導体メーカーや域内への回帰投資企業による設備投資の増加などにより、前年同期比4.32%増、寄与度は1.02ポイントとなった。
外需の寄与度は1.50ポイントと、2期連続でプラスになった。このうち、輸出は0.24ポイント(前期:0.93ポイント)、輸入はマイナス1.25ポイント(同0.15ポイント)だった。主計総処は外需の特徴について、米中貿易摩擦による世界経済の不確実性や国際原材料価格の変動などの影響を受ける中で、情報通信機器や電子部品が域内生産回帰や季節要因の恩恵を受けたことが主な要因と説明した。
主計総処はまた、台湾企業の台湾回帰による生産拡大が輸出にプラスに寄与しており、半導体メーカーによる生産拡大や、第5世代移動通信システム(5G)モバイル通信、高速コンピューティング、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)など新興技術の持続的な発展が輸出の勢いを押し上げると見込んでいる。
(嶋亜弥子)
(台湾)
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