スタートアップ支援のための国家委員会を設置

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年12月25日

ブラジル経済省は11月25日、スタートアップ企業を支援するための国家委員会の設立を発表した。

政令第10,122号が11月22日付の官報に掲載され、同日施行された。同委員会設立の目的は、イノベーションを創出するスタートアップ企業に対する連邦行政機関の支援内容を明確化するため。

この政令によると、国家委員会では今後、公的機関などのサービスを一元化したデジタルプラットフォームを構築する。詳細はまだ明らかにされていないが、スタートアップ企業はデジタルプラットフォームにアクセスすれば、スタートアップ支援に関する情報などを容易に検索できるようになる。

国家委員会は3カ月ごと開催される。スタートアップ企業支援に関わる省庁・関係機関が集うことに加えて、委員会を支援する機能として、コーディネーターや民間企業などのイノベーション分野の知見者を招く諮問機関も設置される見込み。また、国家委員会が活動・フォローアップ報告書を年に1回、経済相と科学・技術・革新・通信相に提出することも定められている。

経済省と科学・技術・革新・通信省が1年ごとに委員会の代表者となる。その他のメンバーは科学技術開発評議会(CNPQ)、研究事業融資公社(FINEP)、国立経済社会開発銀行(BNDES)、ブラジル中央銀行、ブラジル農業研究公社(EMBRAP)、ブラジル産業開発庁(ABDI)、ブラジル輸出投資促進庁、ブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)で構成される。

経済省のカルロス・ダ・コスタ次官は「このイニシアチブは2つの重要な連邦政府のガイドラインに沿うもの。1つは、政府がイノベーション企業に提供しなければならない全ての支援を一元的に集約し、起業家にわかりやすく提示すること。2つ目は、全ての連邦政府機関とスタートアップ向け支援プログラムを連携させることにより、効率的に行政を行う」とコメントしている。

国家委員会設置はブラジルのスタートアップ企業の活動円滑化につながると期待される。

(松平史寿子)

(ブラジル)

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