モスクワ市、2020~2022年の予算を承認、2020年に社会保障費が初めて50%超に

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年12月16日

モスクワ市政府は12月9日、2020~2022年の3カ年予算案を承認した。2020年の歳入は2兆7,987億ルーブル(約4兆7,578億円、1ルーブル=約1.7円)、歳出は3兆1,500億ルーブル、財政赤字は3,513億ルーブルを見込んでいる。

主要経済紙「コメルサント」(11月27日)によると、社会保障費が2020年に総支出額の53%を占め、初めて50%を超えるようだ。社会保障費の拡大は、最低年金額(注)の引き上げ(1万7,500ルーブル→1万9,500ルーブル)と子供のいる家族、孤児、親の保護を受けられない子供、老齢の市民への給付金の引き上げ(5.6%増)が寄与する。

さらに2020年1月からは、「戦争期の子供たち」(1928年1月1日~1945年9月3日までのモスクワ市出生者かつ現在も同市居住者)であり、今まで連邦法またはモスクワ市の法令で社会的補助を受けられなかったモスクワ市民に対する毎月の補助金付与も決定された。支払額は1,584ルーブルで、第二次世界大戦参戦者への支払いと同額となる。この措置を受けるモスクワ市民は8万人を上回る見込み。

2020年のモスクワ市の社会保障受給者は合計310万人に上る見込み。

(注)ロシアの最低年金額は、年金受給者の居住地域の最低限の生活水準以上に設定され、都市ごとに異なる。

(秋塲美恵子)

(ロシア)

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