7.3%の高い経済成長率を維持、2020年経済見通し

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年12月16日

コートジボワール政府は、11月27日に国民議会で承認された新年予算案の中で、2020年の実質GDP成長率を7.3%とする経済見通しを発表した(表参照)。インフレ抑制で消費の増勢が強まることや、インフラ関連投資の進展により、引き続き堅調な内需が成長を牽引する。一方、2020年10月に予定される大統領選挙の行方によっては、経済活動に影響を与えることも懸念され、下振れする可能性もある。なお、2019年の実質GDP成長率は7.5%を見込んでいる。中期見通しでは今後、伸び率が緩やかに減速すると予測している。

2020年の見通しを需要項目別にみると、全体の6割強を占める民間最終消費支出は、インフレ率が低位安定して推移する中で、5.0%の伸びが予測される。雇用・所得環境の改善にも支えられるとみられる。政府最終消費支出は、雇用創出、治安、教育、保健衛生、貧困削減政策など優先分野への重点配分による支出の効率化により、3.4%の伸びが見込まれる。

民間投資は、14.4%と4年連続で2桁の伸びが予測される。政府による積極的な経済改革やインフラ支出の増加、企業向け支援策を追い風に、投資環境の改善や融資アクセスの向上が進む。これを受け、生産設備の更新・拡張のほか、住宅、商業用施設など建設投資の需要が根強い。さらに鉱物資源開発を中心に、海外からの直接投資も増加基調が続く見通しだ。公共投資は、物流網の整備を目的とした道路、橋、港湾、空港、鉄道の建設、エネルギーなど公共事業の積み増しとともに、最終年度となる「第2次国家開発計画」に関連した大型開発案件の進展で、12.8%の伸びが見込まれる。

産業別では、第一次産業は食料生産の拡大に支えられ、2.0%の成長が見込まれる。第二次産業は、9.9%の成長が予測される。国内外の需要の拡大、政府の奨励策や官民連携の強化による投資拡大、物流インフラの改善、大型公共事業の進展などにより、製造業をはじめ建設、エネルギー、鉱物資源採掘など全ての部門で好調が見込まれる。第三次産業は、消費市場の拡大、収益性の向上を背景に、輸送、商業、電気通信などが軒並み好調に推移し、8.9%の伸びが見込まれる。

輸出は、石油製品、農産品および加工品、鉱物資源などの需要が高まり、4.8%増となる。輸入は、内需の拡大を反映し4.8%増の見通し。

表 主要経済指標

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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