米ケンタッキー州で日系中小企業の雇用・人材育成をテーマにワークショップ開催

(米国)

ニューヨーク発

2019年12月05日

ジェトロは11月15日、ケンタッキー州フランクフォートにおいて、日系中小製造業者の雇用と人材育成の問題について議論するワークショップを開催した。州内および近隣州の33の企業・機関から41人が参加した。

7割以上の日系企業にとって「雇用」はビジネスの課題

ジェトロが行った「2018年日系企業実態調査」によると、米国南部(注)を拠点とする日系製造業者の75.1%が、「雇用」をビジネスコスト増加の最大の要因として挙げている。ケンタッキー州では、大手企業が州や教育機関などの支援機関が提供するプログラムなどを活用する一方で、日系中小製造業者からは、そうしたプログラムの情報を十分に得られず、支援機関との連携が難しいとの声が上がっていた。他方で、支援機関からは「日系企業と接する機会が少なく、問題点を把握できていない」といった意見も聞かれていた。

こうした中、今回のワークショップでは、前半を、日系の中小製造企業の代表や人事担当者と、州政府、州および地域の商工会議所、大学、コミュニティカレッジといった支援機関の実務担当者が一堂に会する機会とし、現在ある支援の態勢やプログラムを共有した上で、企業側の抱える問題を率直に話し合った。また後半では、企業の従業員の研修機会を増やすため、ジェトロと地元のブルーグラス・コミュニティカレッジが共同で準備を進めている研修プログラムの紹介と参加者の募集を行った。

支援機関からは、州政府教育・労働開発局のジョシュ・ベントン副長官が「求職者1人当たりの平均求人数は6倍にも上る」など、企業にとって厳しい雇用の実情を紹介。それに対し、州の商工会議所は、将来のニーズ分析に基づいて立ち上げた若年層に焦点を当てた人材育成プログラムなど、さまざまな取り組みを紹介した。また、ケンタッキー大学の担当者は、学生の間で日系中小企業の知名度が低いことを指摘、ジョブフェアなどを利用したブランディングの例を紹介した。

写真 課題を列挙して討論(ジェトロ撮影)

課題を列挙して討論(ジェトロ撮影)

企業側からは、従業員を定着させることの苦労、若手を中心とした従業員の勤務態度に関する課題、また日本人駐在員と米国人スタッフ間のビジネス文化に関するギャップなど、多くの共通する問題があがった。また、コミュニティカレッジなど外部での研修が奏功した複数の事例が出る一方で、必要以上の高い技能は不要だとする指摘もあり、企業によるニーズの違いも明らかになった。

(注)商務省センサス局による地域分類。

(大原典子)

(米国)

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