日本企業や自治体が水インフラ分野でヤンゴン視察、関係強化に期待

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2019年12月26日

質の高い水インフラ技術を持つ日本企業や、高度な運営・維持管理ノウハウを有する自治体など、水ビジネスに関係する日本の17社・団体が12月15~18日にかけて、ヤンゴンを視察した。上下水道の施設整備、無収水対策(注)など、水インフラは日本企業がミャンマーに今後貢献できる分野として期待されている。

今回のミッション派遣は日本機械輸出組合とジェトロが主催し、経済産業省がサポートする官民連携事業として実施された。17日にはミャンマー側の行政などを招いて「日本=ミャンマー・ハイレベル水ビジネスセミナー」が開催され、両国の水インフラや不動産開発事業担当者ら約180人が参加した。

ピョーミンテイン・ヤンゴン地域首相は「ヤンゴンの都市化に向けて、漏水による無収水など水環境の課題の改善が必要」と強調した上で、生活用水を飲料用水に改善する目標に向けて、高度な技術を有する日本企業とのさらなる関係強化へ期待を示した。

写真 登壇したピョーミンテイン・ヤンゴン地域首相(ジェトロ撮影)

登壇したピョーミンテイン・ヤンゴン地域首相(ジェトロ撮影)

前田徹・駐ミャンマー公使は、アウンサンースーチー国家最高顧問が2016年の訪日時に安倍晋三首相と会談した際、首相がミャンマーに対して5年間で官民合わせて約8,000億円の貢献を行うと表明したことに触れ、「ミャンマーの人々が生活向上を実感できる事業を中心に着実に実施している」と述べ、今後もミャンマーの国益に沿ったかたちで、質の高いインフラ整備を推進する考えを強調した。

写真 セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)

セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)

日本側からは11社・団体が登壇し、各社の水インフラ関連技術や先進的な取り組みをミャンマーの企業関係者にアピールした。日本政府代表として内閣官房からは、水質や無収水率の改善に関する他国での日本支援の実績紹介があり、ヤンゴン市が検討している官民連携(PPP)活用の成功には「法務・財務・技術面からの入念な準備が不可欠」という助言もあった。

(注)料金収入に結びつかない水のこと(漏水や盗水など)。

(細沼慶介)

(ミャンマー)

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