第2四半期のGDP成長率、前年同期比0.3%に減速、大統領選控え懸念

(アルジェリア)

パリ発

2019年12月11日

アルジェリア国立統計局(ONS)は10月26日、2019年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(前年同期比)を0.3%と発表した。前期の1.5%、前々期の2.6%を下回り、2期連続で大幅に減速した。

アルジェリア経済を支えているガス・石油部門の成長率はマイナス8.3%となり、前期のマイナス7.7%からさらに減少が目立った。国際原油価格の低迷が続いている中、欧州の暖冬の影響を受けて輸出量が縮小し、マイナス成長につながったとみられる。

非ガス・石油部門(小売業、農業、建設、製造業など)は2.8%の成長率を記録したが、前期の3.9%と比較すると、やはり縮小傾向を示した。投資も0.9%と低調で、前年同期の4.1%に比べ伸び悩んだ。アルジェリアでは、2月以降の大型デモや4月のアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領の辞任により政治的混乱が続いており、外資系や国内企業による投資計画の多くが中止され、停滞の要因となったとみられる。

12月12日に大統領選挙(2019年10月2日記事参照)が実施される予定だが、候補者として正式に承認された5人のうち4人が元閣僚で、全員がブーテフリカ前大統領と何らかのつながりがあったとされ、反政府運動を代表する候補者は含まれていない。そのため、毎週火・金曜日にアルジェで継続的に行われている大規模な反政府デモでは選挙実施に反対する声が挙がっており、投票率が極めて低くなると懸念されている。選挙後の国民のデモの動向が注目される。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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