塩税導入の検討は時間を要する見込み

(タイ)

バンコク発

2019年12月26日

タイ現地紙の報道や、ジェトロによるタイ財務省物品税局へのヒアリングによると、物品税局とタイ保健省食品医薬品局(FDA)は「塩税」導入の検討に当たり、情報収集を行っている。2019年内に塩税に関する方針を明確にする見込みだったが、結論はまだ出ていない。

塩税導入の検討の背景には、タイ人の塩分過摂取の現状がある。世界保健機関(WHO)が推奨する1日当たりのナトリウム(塩)摂取量は2,000ミリグラム未満だが、タイでは4,350ミリグラムに上ることがタイ保健省の調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで判明した。保健省は2025年までにナトリウム平均摂取量を30%減らすことを目標に、心臓病や高血圧、腎臓病などにかかるリスクを下げる政策として、加工食品のナトリウム含有量に応じて課税する方針を検討しつつ、加工食品メーカーに低塩・減塩商品の開発を呼び掛けている。現段階では、課税対象となるのは即席麺類、冷凍食品、缶詰、菓子類、シーズニングパウダーなどの味付けとして加塩された加工食品で、ナンプラー〔漁醤(ぎょしょう)〕、塩、プラー・ラー(タイの塩辛)などの保存料として塩が使われているものは対象外になるとみられる。加工食品メーカーには、商品開発などの調整期間として1~2年間の猶予が与えられる見込みとなっている。

(ウォンパタラクン・ヤーダー、福田かおる)

(タイ)

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