第6回民主党米大統領候補者討論会、バイデン氏が存在感

(米国)

ニューヨーク発

2019年12月23日

2020年米国大統領選挙の民主党候補者による第6回民主党討論会が12月19日、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された。PBSニュースアワーと「ポリティコ」紙が主催し、民主党全国委員会(DNC)の基準を満たした7人の候補者(注1)が登壇した。2019年最後の討論会で、2020年2月から始まる各州での予備選挙や党員集会が迫る中、各候補者は相互に攻め合う格好となった。そのような中で、ジョー・バイデン前副大統領が存在感を高めた。

候補者間の相互批判があらわに

民主党の大統領候補者は当初20人を超える混戦模様だったが、その後、立候補を相次いで取り下げる表明があり、現在は15人となっている。今回はその中でも、DNCが設定する支持率や資金集めの基準を満たした7人が登壇した。「ポリティコ」紙が討論会後に「歯切れの悪い討論にけりをつけた」(12月20日付)と題する記事で総括しているように、各州での予備選挙や党員集会に向けて存在感を示すため、各候補者が互いを糾弾する場面が多々見られた。

特に、最も若手で中道・穏健的なスタンスを取り、最近支持率を上げているインディアナ州サウスベント市長のピート・ブッティジェッジ氏に対する攻撃が目立った。現在の支持率3位のエリザベス・ウォレン上院議員は、ブッティジェッジ氏が富裕層からの資金集めに奔走していると批判。エイミー・クロブチャー上院議員は前回に続きブッティジェッジ氏の経験不足を指摘した。

バイデン氏が軒並み高い評価

存在感を高めたのがバイデン氏で、政治分野の専門家も軒並み高評価を与えている。CNNのクリス・シリッツァ政治記者・総合編集長は「終始一貫しており、今回が前副大統領の最高の討論だった」(CNN12月20日)とした。中でも、バイデン氏がウクライナ疑惑に関して共和党から不当な扱いを受けたにもかかわらず、超党派での協力の必要性を訴えかけた場面について、今回のハイライトとするコメントがメディアを含めて多かった。2016年の大統領選挙で当時のヒラリー・クリントン民主党候補の報道官を務めたエイドリアン・エルロッド氏は、バイデン氏が良いパフォーマンスを見せた背景に、ほかの候補がブッティジェッジ氏批判に集中していた点を挙げている(「ブルームバーグ」電子版12月20日)。

2020年最初となる第7回討論会は1月14日に、全米で最初の党員集会が2月3日に行われるアイオワ州のデモインで、CNNと「デモイン・レジスター」紙が開催することになっている。

(注)バイデン前副大統領、ウォレン連邦上院議員(マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース連邦上院議員(バーモント州)、ブッティジェッジ・インディアナ州サウスペンド市長、クロブチャー連邦上院議員(ミネソタ州)、実業家のトム・ステイヤー氏、アンドリュー・ヤン氏の7人。

(磯部真一)

(米国)

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