日本産リンゴの輸入条件緩和、ベトナム産ライチの対日輸出は解禁に

(ベトナム)

ハノイ発

2019年12月25日

日本の農林水産省は12月13日、日本産リンゴをベトナムが輸入する際の植物検疫条件が12月15日から変更となり、栽培時の袋掛けが免除となったと発表した。併せて同省は、15日からベトナム産ライチ生果実の日本への輸出が解禁されたことも発表した。

日本産リンゴのベトナムの輸入は2015年9月17日に解禁となったが(図参照)、ベトナムが侵入を警戒する病害虫が日本で発生したことから、収穫までの袋掛けなど一定の植物検疫条件を満たしたもの以外は輸入することができなかった。今回の変更により袋掛けが免除され、代わりに、日本の植物防疫所が登録した低温処理施設で果実温度を1.1度以下で28日以上維持するという条件が付けられた(注1)。袋掛けは生産者の負担となっており、産地からは撤廃を要望する声が上がっているため、農林水産省はベトナム植物検疫局と技術的協議を積み重ねていた。

図 日本からベトナムへのリンゴ輸出の推移

日本産リンゴのベトナムにおける輸入関税は、日ベトナム経済連携協定(VJEPA)によって2019年から0%となっている。関税撤廃に加え、植物検疫条件が緩和されたことで、ベトナムへのさらなる輸出拡大が期待される。ベトナムで果物販売を手掛けるクレバーフルーツは12月19日、ハノイ市内で日本産リンゴの販売開始イベントを開催し、同社のグエン・スアン・ハイ社長は「今季は日本産リンゴの取り扱いを7品種に増やした。ベトナムの消費者に品種ごとの特徴を発信していくことで、日本産リンゴをさらに普及させたい」と話した。

写真 ハノイ市内の果物販売店の店頭に並ぶ日本産リンゴ(ジェトロ撮影)

ハノイ市内の果物販売店の店頭に並ぶ日本産リンゴ(ジェトロ撮影)

ベトナム産ティエウ種のライチ生果実は、臭化メチルによる薫蒸をはじめ、生産地での消毒や検査、梱包(こんぽう)に関する基準を満たした場合、日本への輸出が認められる(注2)。

ライチはベトナムを代表する農産物の1つで、ベトナムは世界2位のライチ輸出国、3位の生産国だ。ベトナム植物検疫局は日本への輸出に向けて協力会社を探しており、2020年初めには初輸出したい意向だ。

(注1)詳細は、農林水産省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(注2)詳細は、植物防疫所ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(庄浩充)

(ベトナム)

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