ワールドトラベルアワーズで、モスクワが世界主要都市目的地賞を初受賞

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年12月25日

モスクワ市は11月29日、オマーンの首都マスカットで11月28日に開催された第26回ワールドトラベルアワーズ(WTA、注)のグランドファイナルで、世界主要都市目的地賞を初めて受賞したと発表した。

モスクワ市によると、今回のコンペに参加した都市はニューヨークやパリ、シドニー、香港、リオデジャネイロ、ラスベガスなどの主要都市・観光地を含む19都市。投票はWTAのウェブサイトを通じた公開形式で行なわれた。セルゲイ・ソビャニン・モスクワ市長は「モスクワは世界で最高の都市の1つとなった」と喜びを語った。

モスクワは近年、観光都市としての評価が高まっている。市によると、2018年に同市を訪問した観光客は2,350万人(うち外国人は550万人)で、世界31位、欧州の中でトップ20に含まれるとしている。ボストンコンサルティング・グループの予測によると、モスクワを訪れる観光客は2025年に倍増し、観光産業が市の経済に占める割合が6~8%にまで成長、経済効果は約1兆5,000億ルーブル(約2兆7,000億円、1ルーブル=約1.8円)に達すると見込まれている。外国人観光客の数も欧州都市の中でトップ10に入ることが予想されている。

モスクワへの観光客流入は夏季だけにとどまらない。これまでローシーズンとされてきた冬季にも増えている。モスクワ市は毎年、年末年始に「クリスマスへの旅」と題するフェスティバルを開催。今回は12月13日~2020年1月12日の間に市内81カ所で270以上のイベントが行われ、1,000万人の来場が見込まれている。

年末年始のホテルの予約もほぼ埋まっているようだ。ロシア観光産業連盟の広報担当イリーナ・チューリナ氏は「新年のモスクワのホテルは安価で空き室だらけというのはもう昔話。観光客はこれまで新年休暇のある1月に集中したが、現在は1月と並んで12月も同様に観光のピークとなっている。フェスティバルの開催期間中、観光客が50%増加するという話も旅行代理店から聞いている」と語った(「インターファクス通信」12月18日)

連邦社会会議市民外交・人道協力・伝統価値保存委員会のエレーナ・ストルミナ議長は「モスクワは年末年始のロシア国内の観光都市のリーダーとなった。(2018~2019年の年末年始には)前年比12%増の560万人の観光客が訪れた。外国人ではフランスやイタリア、ドイツ、チェコ、タイ、アルメニア、ジョージア、トルコからが多い」と述べた(「議会新聞」2019年1月11日)。

(注)世界における観光部門の表彰で最も権威ある賞の1つと言われている。1993年創設。

(秋塲美恵子)

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