第3四半期GDP成長率は4.4%に、主要産業が軒並み減速

(マレーシア)

クアラルンプール発

2019年12月05日

マレーシア中央銀行と統計局は11月15日、2019年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(前年同期比)を4.4%と発表した(表1参照)。輸出の不振や鉱業、建設業のマイナス成長がGDPを押し下げ、成長が減速している。

表1 需要項目別実質GDP成長率(前年同期比)の推移

個人消費がやや減速も、成長を主導

需要項目別では、GDPの約6割を占める個人消費が、前期の7.8%増から7.0%増にやや減速したものの、引き続き経済成長を主導した(図参照)。中銀によると、個人消費が減速した要因は、2018年6~8月におけるタックスホリデー〔物品・サービス税(GST)免税措置〕期間に消費が活発だったため、同措置が正常化したことによる反動だという。

民間投資は、企業景況感の低下に伴う資本支出の削減により、前期の1.8%増から0.3%増に減速した。政府消費は、主に公務員給料などの増加により0.7ポイント拡大して1.0%増となった一方、公共投資は、政府の支出縮小を反映して14.1%減と8四半期連続のマイナス成長を記録した。輸出は2016年第3四半期以来となる、輸出入そろってのマイナスだった。ただ、輸入の下げ幅が輸出を上回ったため、純輸出は15.9%増となった。

図 実質GDP成長率と項目別寄与度の推移(前年同期比)

GDP成長率を産業別にみると、主要産業は軒並み、前期から減速した(表2参照)。GDPの6割弱を占めるサービス業は、前年同期比5.9%増と、前期より0.2ポイント減だった。卸売りは前期の4.8%増から6.2%増に拡大したが、小売りは9.2%増から8.0%増に減速した。製造業は、中国市場をはじめとする世界需要減を背景に、4.3%増から3.6%増に減速した。農業も、パーム油生産の回復が遅れたことが影響し、4.2%増から3.7%増に減速した。

鉱業・採石と建設業は、前期のプラス成長から一転してマイナス成長となった。鉱業・採石は、主に原油掘削施設におけるメンテナンス作業が影響し、前期の2.9%増から4.3%減に転じた。建設業は、不動産の過剰供給問題により、2019年第1四半期以降成長率は振るわない。

表2 産業別GDP成長率〔前年(同期)比〕の推移

中銀の通年予測は据え置き

2019年第3四半期のインフレ率は、前年同期のGST免税措置によるベース効果(注)を背景に、前期の0.7%から1.3%に上昇した。中銀予測によると、2020年の平均インフレ率は、2019年よりやや上昇する見通しだ。

2019年通年の経済成長見通しについて、ノル・シァムシアー中銀総裁は、家計支出が引き続き成長を牽引するとして、4.3~4.8%の予測を据え置いた。他方、シンガポールのOCBC銀行は、内需が経済成長を主導するとはいえ、長期にわたる米中貿易摩擦や世界経済における不確実性の高まりなどが、マレーシア経済を大きく左右するとの見方を示した。

(注)前年同期の物価指数が異常な水準で高かった(または低かった)場合、当期の物価指数が正常状態であっても、前年同期比の物価上昇率でみた場合は異常な水準が観測される効果のこと。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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