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中銀が政策金利を0%に引き上げ、マイナス金利から脱却

(スウェーデン)

ロンドン発

2019年12月26日

スウェーデン中央銀行(Riksbank)は12月19日、政策金利をマイナス0.25%から0%に引き上げ、5年間続いたマイナス金利に終止符を打つことを決定した。0%の改定レートは、2020年1月8日から適用されることとなる。中銀は10月の発表で2019年内に政策金利の引き上げをする可能性があることを示していたが、一方で、スウェーデン経済の鈍化を理由に、引き上げは先延ばしにされるのではないかとの見方もあった。

中銀は、他国と同様、経済が低成長の局面に入っていることを認めつつ、過去数年間の高成長を勘案すると現在はむしろ正常な状況にあるとし、消費者物価指数の上昇率(インフレ率)が目標の2%に近づいていることにも言及した(表参照)。また、脱マイナス金利の要因には、同国の家計債務の増加があり、これにより、経済環境の変化に対して脆弱(ぜいじゃく)になると警鐘を鳴らしている。なお、中銀は、今後1、2年は0%金利を維持する見通しを示している。

表 スウェーデン中央銀行の経済予想

また、中銀は2019年4月の決定に従い、同年7月から2020年12月までの間に、国債を450億スウェーデン・クローナ(約5,400億円、1クローナ=約12円)買い入れするとしている。量的緩和政策によって経済を安定させ、インフレ水準が維持されるのに適した環境を整える意向だ。

中銀のアンナ・ブレーマン副総裁とペール・ヤンソン副総裁は、金利を近い将来引き上げるとしても、今のタイミングでは望ましくないと反対したが、ステファン・イングベス総裁側に押し切られたかたちとなった。

一方、ストックホルム大学教授のアニカ・アレクシウス氏は、世界経済、スウェーデン経済の両方が下降気味で、インフレ率が2%以下を保っている現在、金利を上げる必要はないとしている。また、欧州中央銀行(ECB)や米国連邦準備制度理事会(FRB)などがマイナス金利継続や、金利引き下げをしているにもかかわらず、スウェーデン中銀が引き上げをするのは、市場に誤ったシグナルを送ることになる、とも批判している。さらに、スウェーデン国立経済研究所は12月18日に発表した景気動向の中で、スウェーデン経済が停滞局面になっているときに、中銀は金利引き上げをする見込みだとして、中銀を批判している。

(三瓶恵子)

(スウェーデン)

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