酒類製造、博物館運営などに民間投資受け入れへ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年12月02日

「ビスニス・インドネシア」紙によると、インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済調整相は11月21日、民間企業の参入を禁止していた一部の事業分野について、投資ネガティブリストを改訂して開放する方針を発表した。投資可能分野を拡大することで、第2期ジョコ政権が目指す投資促進を推し進める狙いがあると考えられる。開放予定の分野は、酒類製造や政府系博物館の運営、車両型式試験の実施、陸上旅客ターミナル運営、農薬原料の製造など14の事業分野。これらの分野に外資参入をどの程度認めるかについては、今後協議される見込みだ。

アイルランガ経済調整相は、引き続き民間事業を禁止する分野として、カジノ、大麻栽培、化学兵器転用可能性のある化学物質など6分野を残すとしており、これを受けて、「ビスニス・インドネシア」紙は投資ネガティブリストから開放される見込み分野を掲載した(表参照)。

表 投資閉鎖分野の開放方針

政府系博物館の運営を民間企業に開放することについて、同紙はインドネシア教育文化省が基本的に歓迎する方針と伝えた。同様にインドネシア国立博物館も、民間資金が入ることで観光産業の発展につながることを期待する。同省は今後、民間企業参入のための具体的な手続きなどを検討する。

外資には依然多くの事業分野で規制

現行の投資ネガティブリストである大統領規程2016年第44号は、(1)投資閉鎖分野(20業種)、(2)中小企業・協同組合に限定、もしくはパートナーシップを義務付けている分野(145業種)、(3)内資企業との合弁義務などを課す分野(350業種)の3つのリストで構成されている。

今回、民間企業への開放の方針が示されたのは、(1)投資閉鎖分野に含まれる14業種だが、外資参入をどの程度認めるかについては未発表だ。また、多くの事業分野が含まれる(2)、(3)のリストについては、改訂の有無が発表されていない。アイルランガ経済調整相は、2020年初をめどに投資ネガティブリスト改訂を狙っているが、個々の事業分野を管轄する各省庁の意向を踏まえて、外資への十分な開放がなされるかどうか、依然として見通しは不明だ。

(山城武伸)

(インドネシア)

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