医療情報管理サービス、今後3年間の年平均成長率を9%と予測
(フィリピン)
マニラ発
2019年11月28日
医療情報管理のアウトソーシングサービス(注)を提供する企業の業界団体のフィリピン医療情報管理協会(HIMAP)は、2020年から2022年までの3年間の業界の年平均成長率(CAGR)を8.5~9.0%とする予測を発表した。11月20日付の地元各紙が伝えた。
医療情報管理のアウトソーシングサービスはIT-BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)産業の1つに数えられ、フィリピンのIT-BPM業界全体の市場規模の約10%を占める。フィリピンITビジネス・プロセス協会(IBPAP)が11月に発表した2020年から2022年までのIT-BPM産業全体の年平均成長率(CAGR)3.5~7.5%の予測を上回るものとなった。
HIMAPはその理由について、世界経済の減速による悪影響はあるものの、先進国を中心に高齢化が急速に進んでおり、フィリピンの医療情報管理アウトソーシングサービスに対する需要はますます高まるとした。特に、米国はフィリピンの同サービスの最大提供先で、2017年のヘルスケア関連支出はGDPの18%に相当する3兆5,000億ドルに上り、人口1人当たりの支出は世界最大とされる。オバマ政権時に始まったオバマケアと言われる米国でのユニバーサルヘルスケア制度に端を発する医療保険制度改革で、フィリピンは安価な人件費や高い英語力を背景に、保険料の計算業務などの委託先として選ばれている。
医療情報管理のアウトソーシングサービス企業には、フィリピン経済特区庁(PEZA)の認定を受けて各種税制優遇を享受するところも多く、PEZAの発表資料によると、8月現在で26社がPEZAの認定を受け、うち日本企業は2社ある。
(注)医療機関向けIT-BPM業務のことで、医療情報管理システムの運営・保守・生涯対応、保険料の計算・精算、各種資料作成などを請け負うサービス。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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