経済特区入居者向けのワンストップサービスセンターがオープン

(バングラデシュ)

ダッカ発

2019年11月12日

バングラデシュ経済特区庁(BEZA:Bangladesh Economic Zone Authority)は10月21日、経済特区に投資する際の関連許認可手続きを1カ所で進められるワンストップサービス(OSS)センターを、BEZAの内部にオープンさせた。

経済特区への投資の際には、投資登録、会社登録、営業許可、税務登録、ビザ・労働許可取得、環境クリアランス、消防安全クリアランスなど、多岐にわたる手続きが必要だが、OSSセンターでは、窓口対応やオンライン申請、照会サービスを通じて、全107の行政サービスを提供する予定だ。既に関係省庁の担当職員も任命され、建築・消防・環境については審査官も配置されており、現状は78の手続きが可能としている。

これまでのように、複数の関係機関を訪問して手続きをする手間がなくなり、事業者の行政手続きの手間やコストの削減が期待される。また、各許認可手続きの流れは標準業務手順書として取りまとめられ、各手続きの標準処理期間も設定されているため、投資手続きにかかる見通しも立てやすくなる。

同日行われたOSSセンターの開所式で、首相府のアブル・カラム・アザド筆頭調整官は「経済特区で投資する際の手続きが100日で完了するようにタイムラインを示してほしい」と期待を込めた。また、同府のノジブル・ラーマン首席次官は「今後はOSSの仕組みを、経済特区以外で投資する全ての事業者に広げたい。これはその第一歩となるだろう」とした。ポポン・チョードリーBEZA長官は「政策の一貫性やインセンティブが課題だ」とし、サルマン・エフ・ラーマン首相投資アドバイザーは「政府関係機関の協力なしにOSSは実現できない。デジタル・バングラデシュを実現するためにも、関係者のマインドセットを変える必要がある」と述べた。

現在、日系企業ではホンダがダッカ南東部に位置するアブドゥル・モネム経済特区に進出している。2021年度以降には、住友商事がダッカ東部のアライハザールに開発するバングラデシュ経済特別区も稼働の予定で、日系企業の投資案件も増加すると見込まれている。OSSセンターの果たす役割は今後、一層重要なものとなるだろう。

写真 サルマン・ラーマン首相投資アドバイザー、アザド首席調整官ら政府関係者が参加した、OSSセンターの開所式(ジェトロ撮影)

サルマン・ラーマン首相投資アドバイザー、アザド首席調整官ら政府関係者が参加した、OSSセンターの開所式(ジェトロ撮影)

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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