ベトナム~武漢で生鮮品を運ぶ鉄道低温輸送が開始

(中国)

武漢発

2019年11月05日

鉄道物流会社の武漢漢欧国際物流は10月22日、ベトナム・ホーチミン市と湖北省武漢市の間で鉄道を使った低温輸送を開始した(「長江網」10月22日)。同鉄道はホーチミン市から広西チワン族自治区の憑祥市、南寧市などを経由し、約50時間(2~3日)で武漢市に到着する。今後は、週1便のペースで定期運行を行う予定だ。

ホーチミン市から武漢市の呉家山駅に到着した鉄道コンテナには、中国で需要が増えているベトナム産のバサ(ナマズの一種の白身魚)200トンなどが積載された。

これまで、ベトナム~武漢市間のコールドチェーン輸送は、上海市や大連市などの港湾までいったん海上輸送を行った後、貨物をトラックに乗せ換えて陸上輸送を行う必要があった。従来のルートでは20日前後の日数を要する上、台風などの気象条件によっては遅延が生じることもあったが、ベトナム~武漢市間の鉄道低温輸送の開始によって、輸送日数は大幅に短縮することができる。

今後は、低温物流を用いて、ASEAN地域の水産物や果物といった生鮮食品などが中国へ輸送されると見込まれる。武漢漢欧国際物流の王利軍董事長は、現地紙の取材に対し「鉄道の低温輸送の開始により、武漢市は中国の中部エリアの輸入生鮮食品の物流ハブとしての優位性を持つ」と述べた(「長江網」10月22日)。

また、拡大する鉄道網を生かし、武漢市は2019年8月、同市新洲区に「国家食糧現代物流(武漢)基地」の建設を開始した。同基地は中部エリアで初となる「水、陸、空」の物流に対応する食糧物流センターで、中部エリアに輸入食品などを供給するハブとして期待されている。

(片小田廣大)

(中国)

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