オルバン新政権が発足、インフラ整備など主な政策も明らかに

(ルーマニア)

ブカレスト発

2019年11月28日

ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領は11月4日、最大野党だった国民自由党(PNL)党首のルドビク・オルバン新首相をはじめとする新たな閣僚の任命を行った。オルバン新首相は過半数の賛成(上下両院の全465議席中、賛成240票、反対0票、棄権225票)を得て信任された。10月に社会民主党(PSD)のビオリカ・ダンチラ政権に対する不信任案が可決されていた。

組閣に伴って省庁の再編成も行われ、閣僚ポストは前政権より10少ない18となった。また、ルーマニア救出同盟(USR)とハンガリー人民主同盟(UDMR)との連立政権も一時検討されてきたが、結果として内閣はPNL出身者と無所属で構成するかたちとなった。

オルバン新政権の主な政策としては、閣僚と行政組織の削減、インフラ投資(高速道路網整備、首都ブカレストの鉄道網整備、ブカレスト国際空港の新ターミナル建設と空港鉄道の建設など)、クラヨバ県やクルージュ県、ヤシ県地方中核都市への国立病院の建設開始などがある。また、金融や通信、エネルギー分野に対して重税を掛けていた緊急政令2018年114号の改正を目指すなど、一部で前政権の政策の見直しを進めていく意向だ。

11月末には最低賃金引き上げ方針の最終決定〔2020年1月1日から月額グロス2,080レイ(約5万2,000円、レイはレウの複数形、1レウ=約25円)から2,230レイに引き上げの予定〕、VATの分割納付制度の廃止、2020年の国家予算と社会保険関連法案の最終決定が控えており、オルバン新政権の動向に注目が集まっている。

新内閣の顔ぶれは表のとおり。

表 オルバン内閣の顔ぶれ

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

ビジネス短信 f570fce6a801ee35