ロシアのロボットSI企業、自動化支援の商品調達に関心
(ロシア)
サンクトペテルブルク発
2019年11月27日
アルテメンコ社長。大学の専攻は航空・ヘリコプターのエンジニアリング(ジェトロ撮影)
(問)会社概要、事業内容は。
(答)2011年に前身となる会社を創業、2012年に現在のかたちに変更した。当社は顧客企業に対し、産業用ロボット技術を活用した自動化・ロボット化のプロジェクトの実施とシステムインテグレーション(SI)を手掛けている。工程分析やプロジェクトの設計、従業員への教育、導入後のサポートなどを提供している。3年前には食品工場向けも開始し、ベルトコンベヤーやアーム装置などのプロジェクトを手掛けた。企業の工場だけでなく、大学のロボットラボラトリー向けにサービスを提供した実績もある。
(問)主な取引先は。
(答)航空機用エンジン設計・開発企業や金属加工企業、建材関連企業、木材加工産業など。データセンターやロシア各地の大学などもある。
同社が手掛けたプロジェクトの現場の一例(ARMロボテクス提供)
(問)商談会で特に調達を希望する商品は。
(答)産業ロボット用アーム装置(真空式、エアー式、電気式)や溶接用のアーム装置。システムとしては、マシンビジョンシステムや産業ロボット用安全システム・制御システムに関心がある。
(問)決済や商流は。ロシア国内での流通に必要な認証対応の方針は。
(答)銀行にユーロ建て口座を有するので取引通貨はユーロを希望するが、ドル建ても可能。商流は、日本側メーカーと直接取引を希望するが、条件次第では商社が間に入っても構わない。認証の取得は基本的にメーカー側で行ってもらいたい。現在、当社で扱っている外国製品については取引先のメーカーで対応してもらっている。
(問)商談会で日本企業に用意してほしい書類は。
(答)英語での技術仕様書。電子媒体で確認したい。その商品が活用されたプロジェクトが分かる資料があるとなおよい。
(問)サンクトペテルブルクの特徴は。
(答)一般論としての難しさは、日本から物理的な距離があるのと言語が異なることだ。モスクワと比べると購買力も落ちる。しかし、サンクトペテルブルクには多くの製造業が立地することから、(製造業向けにサービスを提供する当社のような企業には)ビジネスチャンスがある。また、港湾と空港を有することから物流の結節点でもある。欧州とモスクワを結ぶゲートウエーのような役割も持っている。
(注)2016年の日ロ首脳会談で確認された両国間の経済協力の方向性。中小企業交流の拡大や健康寿命の伸長なども盛り込まれている。
(一瀬友太、アユナ・イダムジャポワ)
(ロシア)
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