特許審査ハイウェイが全技術分野で利用可能に

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年11月28日

日本の特許庁(JPO)とブラジル産業財産庁(INPI)との間で実施している特許審査ハイウェイ(PPH)は、これまで対象となる技術分野が制限されていたが(2019年1月17日記事参照)、2019年12月1日から、全技術分野でPPHが利用可能になる。

PPHとは、第一庁(出願人が最初に特許出願した庁)で特許可能と判断された出願について、出願人の申請により、当該庁とこの取り組みを実施している第二庁において簡易な手続きで早期審査が受けられるようにする枠組みだ。日本・ブラジル間では2017年4月から試行が開始されていた。

2019年12月1日以降の日ブラジル間PPHの主な特徴は次のとおり。

  1. PPH申請に関する技術分野の制限なし
  2. 試行期間は2019年12月1日から2年間
  3. INPIは年間400件を上限にPPH申請を受理
  4. INPIが第二庁として受け付けるPPH申請は、従来と同様に、1出願人当たり1カ月に1件まで

日本の経済産業省ウェブサイトの「ニュースリリース」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照のこと。

ブラジルでは、特許審査における遅延が大きな問題となっており、INPIが最初に審査結果を出すまで、出願から平均10年弱を要しているが、出願人はPPHを利用することにより、早期に特許権を獲得することが可能となる。

INPI担当者によると、日本の審査結果を利用したPPHにより、ブラジルでは最短で34日で権利化に至った例もあり、今回、技術分野の制限が撤廃されることにより、多くの分野からの申請を期待しているという。

(貝沼憲司)

(ブラジル)

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