世界銀行のビジネス環境ランキングで15ランク上昇、現場でのさらなる改善求められる

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年11月01日

世界銀行は10月24日、世界190カ国・地域のビジネス環境ランキングを示す「Doing Business 2020」(最新版)を発表した。ナイジェリアは、前年版のスコア53.5、146位から3.4ポイント、15ランク上昇し、スコア56.9、131位と大きく順位を伸ばした。世界で改善度合いの最も大きかった上位10カ国に入り、2016年版からは39ランク上昇した。事業設立、不動産登記、建設許可、電力事情、契約執行、貿易といった分野でスコアが改善した。

ナイジェリアの大統領ビジネス環境改善評議会(PEBEC)の副議長であるオトゥンバ・アデバヨ産業貿易投資相は、2016年7月にムハンマド・ブハリ大統領が同評議会を設立して以来、官僚主義的制約を取り除き、行政手続きを簡素化する改革140項目を実施するなど、2017-2020経済復興成長計画(ERGP)を進めてきた結果だと評価した。

一方で、入国管理局が発行する、2年ごとに更新が必要な外国人居留証(CERPAC)の手数料は2018年、1回1人1,000ドルから2,000ドルに値上げされた。出張者が入国する際に商用査証が必要となるが、ラゴスのジェトロには発給の遅れなどの相談が寄せられている。トランスペアレンシー・インターナショナルが発表している腐敗認識指数(CPI)で、ナイジェリアは前回2017年の144位から、2018年は148位に低下した。外資企業がビジネス環境の改善を実感するには、現場での具体的な取り組みが求められるといえそうだ。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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