セクハラ防止法施行細則が11月発効、罰金や禁錮刑を規定

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月05日

フィリピンのリサ・ホンティベロス上院議員は10月28日、職場や公共スペースでのセクシャルハラスメント(セクハラ)を防止する「安全なスペース法(共和国法第11313号)」(以下、セクハラ防止法)の施行細則(IRR)に署名したと発表した。セクハラ防止法は2019年4月に成立、8月に発効し、その詳細を規定したIRRの署名が待たれていた。IRRは署名から15日後の11月12日に発効する。

1995年に成立した反セクハラ法は、職場や教育の場のみを対象とし、雇用者、従業員、上司、教師、インストラクター、教授、コーチ、トレーナーによるセクハラを禁じるものだったが、2019年4月に成立したセクハラ防止法およびIRRは、その対象をインターネットを含む全ての公共スペースに拡大し、1,000ペソ(約2,100円、1ペソ=約2.1円)から10万ペソの罰金と、1カ月の禁錮刑を科すとした。ただし、オンラインでのセクハラやサイバーストーキング、そして教育の場におけるプライバシー侵害やセクハラは、10万ペソから50万ペソの罰金を科すとされた。

同法で規制される具体的な行動として、性差別的な発言、通りすがりの異性に対する性的誘い、いやらしい目つきや流し目、ストーキング、サイバーストーキング、あざけりの叫び声などが規定された。

セクハラ防止法の立案者で、上院の「女性、子供、家族、性別の公平性委員会」の委員長でもあるホンティベロス上院議員は、同法は世の中の流れを変えるゲームチェンジャーとなり得るとした上で、「セクシャルハラスメントに終止符を打ち、政策や国民の振る舞い、文化さえも変わることになる」と、地元メディアに対して説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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