ウルグアイ大統領選の決選投票、僅差のために決着は先送りに

(ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2019年11月25日

ウルグアイ大統領選挙は11月24日、上位2人による決選投票が行われた。しかし、開票率98%を超えても得票差が3万票を切る僅差となり、選挙裁判所は確認を要する票が3万票近くあることから、最終結果が11月28日ごろまで留保される見通しを明らかにした。

決選投票は、開票率98.54%時点で、中道右派「国民党」のラカジェ・ポウ候補(前上院議員)が得票数115万1,525票(得票率48.73%)とリードしており、中道左派で連立与党「拡大戦線(FA)」のマルティネス候補(前モンテビデオ県知事)が112万2,001票(得票率47.48%)と続く。得票差は3万票を切っている。

各種世論調査会社は、出口調査でラカジェ・ポウ候補とマルティネス候補の接戦を伝えていた。オプシオンは48.4%対47.8%、エキポスは48.4%対47.4%、シフラは49%対47%でラカジェ・ポウ候補の優勢とし、ファクトゥムは48.2%対48.2%の同率を発表していた。

10月27日に行われた第1回投票では、主要4候補が競い合う中、マルティネス候補が39.02%、ラカジェ・ポウ候補が28.62%を獲得し、決選投票に進むことになった。同投票直後から3位につけた「コロラド党」のエルネスト・タルビ候補(12.34%)と4位の「カビルド・アビエルト党」のギド・マニーニ・リオス候補(11.04%)がラカジェ・ポウ候補を支持するなど(2019年10月29日記事参照)、野党に追い風が吹く状況になっていた。

今回の大統領選挙は、2005年から政権を担うFAの信任を問う投票といえる。FAは政権任期中、GDPプラス成長を維持し、海外からの大型投資誘致にも実績を残してきたが、11月13日に行われた大統領選挙討論会では、野党のラカジェ・ポウ候補から、現在では失業率が8%台に達し、財政赤字も5%に近づくなどの点を批判されていた。また、治安問題なども争点になっていた。

(紀井寿雄)

(ウルグアイ)

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