大統領選挙、連立与党と中道右派による11月24日の決選投票へ

(ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2019年10月29日

ウルグアイ大統領選挙が10月27日に行われ、中道左派の与党連合「拡大戦線(FA)」のダニエル・マルティネス前モンテビデオ県知事と、最大野党の中道右派「国民党」のルイス・アルベルト・ラカジェ・ポウ前上院議員による決選投票が行われることが確実になった。

第1回投票の開票率98.06%の時点で、マルティネス氏の得票率が38.60%、ラカジェ・ポウ氏が28.22%、野党・コロラド党(中道右派)のエルネスト・タルビ氏が12.16%、右派の新興政党カビルド・アビエルトのギド・マニーニ・リオス氏が10.73%と続いた。有効投票の過半数を獲得した候補がいないことから、11月24日に上位2候補による決選投票が行われる見込みだ。

第1回投票でリードしたマルティネス候補は62歳。燃料・アルコール・セメント公社(ANCAP)総裁(2005~2008年)や、工業エネルギー鉱業相(2008~2009年)、上院議員(2010~2015年)、モンテビデオ県知事(2015~2019年)と、左派政権の期間に着実にキャリアを積んできた。

2位のラカジェ・ポウ候補は46歳。ルイス・アルベルト・ラカジェ元大統領(1990~1995年在任)の子息。下院議員(2000~2015年)と上院議員(2015~2019年)を歴任している。2014年の前回大統領選挙でも国民党候補となったが、決選投票でタバレ・バスケス大統領に敗れた。

今回は、2005年から政権を担っているFAの信任投票の意味合いが強い。16年連続でGDPプラス成長を維持しながらも、治安問題などもあり、争点になっていた。FAにとっては、前回の第1回投票でバスケス大統領が獲得した得票率(47.81%)を下回っていること、3位のタルビ候補と4位のマニーニ・リオス候補が相次いでラカジェ・ポウ候補の支持に回ると表明したことから、決選投票での苦戦が予想される。

(紀井寿雄)

(ウルグアイ)

ビジネス短信 60de60b9291f7565