モロッコとロシア、石油精製所建設の協定締結、ロシア・アフリカサミットを機に

(モロッコ、ロシア)

ラバト発

2019年11月15日

ロシアのソチで10月23、24日に開催された第1回ロシア・アフリカサミット(2019年10月31日記事参照)に、モロッコのエル・オトマニ首相と、ナッセール・ブリタ外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相、モフシン・ジャズリ同相付特命相が出席した。併催イベントのロシア・アフリカ経済フォーラムには、アジズ・ラバハ・エネルギー・鉱山・環境相とジャズリ特命相が参加した。

現地報道によると、フォーラムで、モロッコのMYA Energy、ロシアのVEB.RF(旧ロシア開発・対外経済活動銀行)、ロシア輸出センター(REC)の3者が約20億ユーロに相当するモロッコでの石油精製所の建設に関する協定に署名した。計画では、1日当たり10万バレルの精製能力を備え、将来的には同20万バレルに達する予定だ。

MYA Energyは、不動産開発などを行うMarita Group Holdingとモロッコの王族ムーレイ・ユセフ・エル・アラウィ(Moulay Youssef El Alaoui)氏によって、2018年に設立された。同社のプレスリリースによると、今回のプロジェクトは、モロッコ北部ナドールに石油精製所を建設するもので、石油製品の精製と貯蔵にロシアの技術が利用され、運営はロシアの専門家の支援を受けながら同社が運営する見込み。モロッコ北部地域の雇用機会の創出に貢献し、地中海西岸のナドール港(Nador West Med)の港湾整備計画にも活用されるとした。

(大野晃三)

(モロッコ、ロシア)

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