1~9月の山東省貿易額、前年同期比6.4%増、原油などの輸入が拡大

(中国)

青島発

2019年11月15日

中国山東省政府の発表(10月17日)によると、2019年1~9月の山東省の貿易総額は前年同期比6.4%増の1兆4,890億元(約22兆3,350億円、1元=約15円)で、中国全体の伸び率(2.8%)を3.6ポイント上回った。山東省の貿易額は中国全体の6.5%を占め、省市別でみると第6位だった。

輸出は5.4%増の8,112億元で、伸び率は全国平均(5.2%)を0.2ポイント上回った。輸入は7.6%増の6,779億元で、全国平均(0.1%減)を7.7ポイント上回った。

主要貿易相手国・地域をみると、米国が前年に続き1位だったが、貿易額は前年同期比17.8%減の1,447億元と大幅に落ち込んだ。このうち、輸出は12.7%減、輸入は37.7%減となり、特に輸入の減少が目立った。2位は韓国で0.1%増の1,428億元、3位は日本で3.6%増の1,101億元となった(表1参照)。

表1 山東省の主要国との貿易額

省内貿易総額の約7割を占めたのは一般貿易で、前年同期比5%増の9,983億元となった。加工貿易は5.5%減の3,026億元だった。

品目別の輸出をみると、山東省が最も多く輸出したのは機械設備関連の製品で、前年同期比5.5%増の3,033億元となった。2位はアパレルなどの労働集約型製品で4.1%増の1,576億元、3位の農産品は6.2%増の872億元だった(表2参照)。

表2 山東省の主要輸出品目

済南税関の趙豊傑副税関長は、山東省の貿易額が伸びている背景について、(1)企業への減税政策によって企業の生産が活性化し、原油(輸入額は前年同期比21.0%増)や砂鉄(54.4%増)などの輸入需要が大幅に拡大したこと、(2)山東省政府の掲げる「新旧成長エンジン転換政策」による産業の高度化によって、従来の労働集約型製品に加え、電子技術、航空技術などの関連製品も輸出されるようになったこと、(3)「一帯一路」沿線国・地域との貿易活動が活発化していることが追い風になっていると説明した(「大衆網」10月17日)。

(董峰)

(中国)

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